【COMICO ART MUSEUM YUFUIN】隈研吾氏の隠れた名作

概要
隈研吾氏は、この建築で、名人域ともいわれる黒と薄さの演出をしました。実は私は、後に紹介するこの本の中で一番好きでした。この美術館では、村上隆さんや、杉本博司さんの作品が展示されています。
元はこの敷地には象設計集団の湯布院美術館がありました。
行ってみるには?
見どころ

この薄い庇と、黒の焼杉によってシャープになった外観です。
さらに、内部も大変綺麗な空間ができていますので、下も見て、その後にぜひ一度訪れてみてください。
公式サイトをまずチェック!
公式サイトはコチラ↓
COMICO ART MUSEUM YUFUIN (camy.oita.jp)
所在地
アクセス
ご利用案内(営業時間、一般開放しているか、利用料金等)
開館時間 9:30 – 17:30
休館日 毎週水曜日
※ 美術館の展示替えやメンテナンスにより、
休館日が変更になる場合がございます。
※ 詳細は予約カレンダーをご覧ください
観覧料
一般(大学生・専門学生含む) :¥1,500 ¥1,200
学生(高校・中学・小学生) :¥1,000 ¥700
子ども(小学生未満) :無料
※ 表示料金は全て消費税込です。
もっと詳しく(独自の観点からの評価 )
建築家(構造設計)
建築家は、お馴染みの隈研吾氏です。
構造設計は、これまたよく聞く、アラップとなっています。
施工業者は佐伯建設です。
コンセプト
湯布院は、日本の「村」のような雰囲気があるが、次第に原宿や渋谷のように観光地化していく。こうした雰囲気を変える落ち着きのある建築を設計しようとしたそうです。
デザインのプロセス
この「黒」は全面を焼杉を張ることで実現しています。では、なぜこの「黒」にこだわったのか?
それは、湯布院にある二つの原広司さんと磯崎新さん設計の建築へのオマージュであるかもしれません。
その二つの建築は、JR湯布院駅(磯崎新/1990)と、末田美術館(原広司/1981)です。
原広司さんは、隈氏の大学時代の恩師であり、思い入れが強いかったのかもしれません。
外観
薄い庇と、黒い焼杉で構成されています。
黒は、そのシャープに見えるという性質から、庇がより薄く見えることを助けています。
内観

これが驚きで、導線の合理性を犠牲にし、美術館の中央に水盤を挟みこんでいます。
そこにお互いの展示室の内部が映り込み、展示物が重なって見えます。この美しさには圧倒されることでしょう。
ぜひ一度訪れてみたいです。
計画のはなし
図面は?
自分がとてもためになっている日経クロステックのサイトに載っています。有料サイトですが、良かったら登録してみてください。
配置図 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
動線計画
ギャラリー1をまず周り、次にギャラリー2を回ります。それぞれは入り口からまたでなくてはならないという合理性はないものですが、これは、中央の水盤を魅せるためです。
構造計画
木造はできず、鉄骨造、一部鉄筋コンクリート造となっています。
環境計画
隣の公共の敷地とは水盤で仕切っています。それが、上品な軒へと光を反射していて、美しいです。
まとめ
参考書籍
隈研吾氏の建築を学ぶ上で、私が一番におすすめしている書籍です。
図解でわかりやすく、かつ明快な分類でまとまっていることがこの本の特徴です。初心者の私でも読むのが楽しく、かつ建築学生として有用な知識が詰まっていました。
隈研吾建築の変遷を全体的に捉えること、一つ一つの建築の特徴を理解すること、というどちらものアプローチで学ぶことができます。
ぜひ手に取ってみて下さい!
言わずと知れた名著です。建築に携わるものとして、読むことは必須だと思います!
参照サイト等
・湯布院に隈研吾設計の美術館、焼きスギ張り分け「和」を表現 | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
・隈研吾建築図鑑 画・文:宮沢洋
・COMICO ART MUSEUM YUFUIN (camy.oita.jp)
今日のプチコラム
自分の大学の教授が、建築士を知るには、建築を知るときに、その設計の建築家を知るのと同時に、その巨匠は誰か、それを追っていくことで知っている建築家の幅が広がる、とおっしゃっていました。私もそうするようにしています。皆さんもぜひやってみてください!
本日はお疲れ様でした。 皆さん、明日も頑張りましょう!