【ダイワユビキタス学術研究館】隈研吾氏のの創る木の「ウロコ」

概要
東京大学の本郷キャンパスにある研究棟です。羽目板のパネルがうろこのように重なり、うねりながら連続していきます。
行ってみるには?
見どころ
このファサードです。
4種類のパネルと12種類のパネル間隔をコンピューターで検討し、自然なランダムさを出しました。これは、アオーレ長岡のパネルの発展形となっています。
アオーレ長岡についての記述はコチラ↓
公式サイトをまずチェック!
東京大学ユビキタス学術研究館の公式サイトはコチラ↓
ダイワユビキタス学術研究館 - 東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 (u-tokyo.ac.jp)
所在地
アクセス
この建築がある本郷キャンパスへのアクセスです。
- 都営大江戸線 本郷三丁目駅 徒歩7分
- 東京メトロ丸ノ内線 本郷三丁目駅 徒歩8分
- 東京メトロ千代田線 湯島駅 徒歩20分
- 東京メトロ南北線 東大前駅 徒歩10分
ご利用案内(営業時間、一般開放しているか、利用料金等)
原則、立ち入りは学生・教職員など関係者のみ。ただし、教職員による紹介があれば以下の3施設を借りることができるとのことです。
- ダイワハウス石橋信夫記念ホール(3階)
- 会議室(地下1階)
- 教室(2階)
もっと詳しく(独自の観点からの評価 )
建築家(構造設計)
お馴染み、隈研吾氏です。ほかにもこのような代表作があります。
もっとも有名な国立競技場です。
その他にも、浅草文化センター、TOYAMAキラリ、明治神宮ミュージアム。
近作で、都内にあるものの中はスターバックス リザーブ® ロースタリー 東京、根津美術館、明治神宮ミュージアム、JR高輪ゲートウェイ駅など多数あります。
コンセプト
ひっそりとした敷地内でもインパクトのある外観。さらに、東京大学キャンパスの設計者、内田祥三(ー1972)は、「粒子感」あるスクラッチタイルを使った。その彼の「粒子感」を踏襲し、ガサガサなファサードを創った。

デザインのプロセス
コンピューターと建築との融合という大きなテーマに立ち向かい、グラスホッパー(Grasshopper)というプログラミングのように建築を設計できるソフトを活用したという。このような建築が可能になったのはコンピューターのおかげ
機能的提案
この建築の寄贈者である大和ハウス工業株式会社の趣旨に沿い、ユビキタスコンピューティング分野の教育研究を第一に実施しています。第二に、大型空間物を、コンパクトな空間でユビキタス技術を駆使して提供する「ユビキタス空間物アーカイブ」を設置し、世界中の若者の教育に役立てたいと考えています。
外観
この「粒子感」が銀杏並木とも非常にマッチしている。
内観
「建築とコンピューターの融合」というコンセプトを掲げているだけあり、建物自体が教育ツールとなっています。
館内のシステムについては情報学環の坂村健教授が監修しています。設備機器をすべてネットワークにつなぎ、ネットワーク経由で情報の読み取りや制御指示ができるようにし、それと同時に、数百のセンサーを設置することで、部屋の状況をリアルタイムで認識している。
こうしたシステムを利用することで、館内では位置情報と連動した設備制御が可能になった。例えば、ある部屋に入ると、ユーザーが持っているタブレット端末などにその部屋の照明や空調などの操作画面が表示される。ユーザーは手元ですぐに操作可能だ。廊下へ出ればエレベーターの操作画面が表示され、手元でエレベーターを呼べる。ユーザーのいる位置に合わせて操作対象となる設備が自動的に変わっていく。もちろん、遠隔制御も可能だ。
隈氏が設計、建築とITを融合した研究棟が竣工(3ページ目) | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
この建築の構成材料
ファサードは、従来学校建築で用いられてきた人工的な、コンクリート、金属や石といった材料でなく、土や木を使い、生物的なうろこのようなファサードをつくりあげることで、柔らかな印象を与えています。
計画のはなし
図面は?
配置図、平面図、立面図、そして断面図が隈研吾氏の事務所の公式サイトに載っています。
こちらをご覧ください。
Daiwa Ubiquitous Computing Research Building – 東京大学大学院 情報学環 ダイワユビキタス学術研究館 | Architecture | Kengo Kuma and Associates (kkaa.co.jp)
平面・配置計画
地上3階・地下2階建てとなっています。
断面計画

東面の壁面は上がせりだしていて、未来へ向かう学生の成長への期待を表しているのかもしれません。
環境計画
東大を代表する「赤門」から離れた春日門から続く小道と、「懐徳館」(前田家庭園)に挟まれた細長い余白にあるというひっそりとした敷地。このような場所に人の目を向けるため、相当なインパクトを持たせたのではないか。

東大を代表する赤門です。知らない人はあまりいないでしょう。
まとめ
参照サイト等
・隈研吾建築図鑑 画・文:宮沢洋
・ダイワユビキタス学術研究館 - 東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 (u-tokyo.ac.jp)
・【穴場】東大キャンパスに隈研吾の建築が!ダイワユビキタス学術研究館へ|SHELKO TRAVEL (shelko-travel.com)
・ダイワユビキタス学術研究館 | 日本建築めぐり | 建築パース.com (kenchiku-pers.com)
・Daiwa Ubiquitous Computing Research Building – 東京大学大学院 情報学環 ダイワユビキタス学術研究館 | Architecture | Kengo Kuma and Associates (kkaa.co.jp)
・ダイワユビキタス (atelier-retono.jp)
・隈氏が設計、建築とITを融合した研究棟が竣工(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
参考書籍
隈研吾氏の建築を学ぶ上で、私がいつも参考にさせていただいている書籍は、「隈研吾建築図鑑」という名前で、著者は宮沢洋さんです。日経の出している本なので内容は安心かつ、すべてイラストで構成されているため、とても読みやすいです。
図解でわかりやすく、かつ明快な分類でまとまっていることがこの本の特徴です。初心者の私でも読むのが楽しく、かつ建築学生として有用な知識が詰まっていました。
隈研吾建築の変遷を全体的に捉えること、一つ一つの建築の特徴を理解すること、というどちらものアプローチで学ぶことができます。
ぜひ手に取ってみて下さい!
この書籍も作品集ですが、上の書籍よりも深く学ぶことができます。上の書籍で広く浅く隈建築を知ったあとに、少し深掘りする、という使い方が良いと思います。
図面なども載っていて、ボリューム感が良いです。とてもおすすめです。
言わずと知れた名著です。建築に携わるものとして、読むことは必須だと思います!
今日のプチコラム
皆さん、明日も頑張りましょう!
施設概要
- 所在地:東京都文京区本郷7-3-1 東京大学本郷キャンパス内
- 建築設計:隈研吾建築都市設計事務所
- 施工:大和ハウス工業
- 建設期間:2012年10月~2014年4月
- 規模:地上3階、地下2階
- 構造:地上階は鉄骨造、地下階は鉄筋コンクリート造
- 建築面積:679.45m2
- 延べ面積:2709.53m2
- 最高高さ:11.88m
- 最高軒高:11.37m
- 構造形式:ラーメン構造
- 基礎:地盤支持(直接)
- エレベーター:1基
- 東側外壁主要仕上げ:不燃スギ板t15.0(木質保護塗料塗布)
- 西側外壁主要仕上げ:左官メッシュパネル(亜鉛メッキの溶接金網+左官仕上げ)
- 南北側(妻側)外壁主要仕上げ:押し出し成形セメント板シリン吹き付け
参考:隈氏が設計、建築とITを融合した研究棟が竣工(3ページ目) | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
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