【スペースブロック・ハノイモデル】小嶋一浩さんの実験集合住宅?!

目次
概要
こんばんは!「一日一建築」と称して毎日自分の好きな建築について発信しています著者のちぇりーです!
このサイトの特徴として、建築学生が建築計画という観点から評価するというところで、ボリュームは少し多めですが、その分、建築についてより深く学べると思うのでぜひ見てみて下さい!紹介している建築については、今とても注目を集めるパラメトリックデザインを用いて設計されたものを紹介していますので、ぜひ見てみて下さい!
また、この分野に興味を持つ方は、英語圏にもたくさんいらっしゃるということで、今後英語で発信を始めようと考えています!
さて、今日の建築は、「スペースブロック・ハノイモデル」です。この建築は、ベトナム・ハノイ市の旧市街、通称36番通り地区の町屋に建つ、実験集合住宅となっていて、かの有名なシーラカンスCAtの小嶋一浩氏の設計です。今はもう亡くなってしまいましたが、彼の建築は今もとても評価が高く日本を代表する建築家の一人となっています。
行ってみるには?
場所は、ベトナムのハノイとなります。集合住宅なので、見学等はできないかと思われます。
見どころ

内部の合理性をアルゴリズムによって最大化したことで生成されたポーラスな外観です。
ポーラスとは?
多孔質のことです。
建築としての評価は?
建築家(構造設計)
今回の設計は、小嶋一浩氏です。彼はシーラカンスCAtに所属していました。
シーラカンスは小学校を得意としていて、代表作としては、宇土小学校があります。書籍などもたくさん出版されていますので、ぜひ併せて勉強してみて下さい~
また、難しいアルゴリズミックデザインを可能にするために重要と言える構造設計は、ハノイ建設大学が手掛けています。
アルゴリズムは?
現地で研究を長年続け、そこでの「卓越風」の方向や風速を調査し、通風性能の合理性を持つ三次元形態を生成するという目的で作られました。
具体的には、敷地条件(容積率等)のクリアしたポーラスな空間のモデルをCFD解析します。それの繰り返しでスタディを進めたそうです。
この方法は、設計者のその後のプロジェクトであるHo Chi Minh City University of Architectureに受け継がれました。
コンセプト
地球環境への配慮、だそうです。
この狭い敷地内で何ができるのか?その説明をすると、ベトナムという熱帯の地域でも、空調に頼らず生活するには?という課題をクリアするため、内外を織り込んだ建築としたそうです。
デザインのプロセス
先程述べたアルゴリズムによって決定しました。
機能について
集合住宅となっています。
外観

内観

とても開放感のある建築へと生まれ変わりましたね。
白の清潔感や、薄さ、それに加えてガラスを多用していることがそう思わせます。
こう見ると、とても小嶋さんらしいですね。
この建築の構成材料
設計案は着工直前までベトナム瓦と現地の素材を採用していたが、敷地がホワイトモダニズムが支配的な大学キャンパスに決まった時点でPCルーバーを用いたフラットなダブルルーフと真っ白の空間に変更した。フラットルーフもフランス植民地時代の伝統として認められているのだ。
引用:C+A - Coelacanth and Associates | スペースブロックハノイモデル (c-and-a.co.jp)
計画のはなし
環境・敷地計画

この写真が、ベトナムの現状を表しています。
ベトナムという敷地上、とても人口密度が高く、そのせいで暗い住居ばかりになってしまっていました。その状況を変えるべく、外と中が入り混じる空間を設計したそうです。
この国では、屋根のある外部はとても重宝されます。
平面・配置プラン
とても縦長で、狭小敷地に建っていることが分かります。図面は下↓
構造プラン
RCだと思われます。
図面は?
建築のサイトで有名な「私の設計手法」という建築家本人が述べたことが書いてあるサイトに載っていました。
そのサイトがこちら。
小嶋一浩 - 『集積回路型』の建築「スペースブロックハノイモデル(ハノイの実験集合住宅)」:私の建築手法 (tozai-as.or.jp)
最後に
このブログでは、「一日一建築」と称し、毎日、主に隈研吾氏の建築を紹介していましたが、ほかの方の建築も紹介しています。よかったらご一読ください。↓
Pioneer Of Attractive Archi – より深く名建築について知ることができるサイト。 (attractive-archi.tech)
昨日紹介した建築はコチラ!
いつも参考にしている書籍の紹介が最後にあります。さらに建築を学びたい、という方は、もしよかったら見ていってください!
参照サイト等
・アルゴリズミック・デザイン 編:日本建築学会
・小嶋一浩 - 『集積回路型』の建築「スペースブロックハノイモデル(ハノイの実験集合住宅)」:私の建築手法 (tozai-as.or.jp)
・C+A - Coelacanth and Associates | スペースブロックハノイモデル (c-and-a.co.jp)
・スペースブロックハノイモデル[2003] | 一級建築士事務所 まんぼう (mambo-aa.jp)
たくさんの建築の、どうやってできたかの部分が載っている本で、伊東豊雄氏の建築なども載っています。おすすめなのでぜひこの書籍をどうぞ読んでみて下さい。
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参考にしている書籍の紹介
私がいつも参考にさせていただいている書籍は、「隈研吾建築図鑑」という名前で、著者の方は宮沢洋さんです。日経の出している本なので内容は安心かつ、すべてイラストで構成されているため、とても読みやすいです。
狭く深くというより、隈研吾さんの事務所の設計した建築について広く浅く学ぶことができます。初学者の方から、隈研吾さんの建築をいくつかしか知らないという方に本当におすすめなので、ぜひご一読ください。隈研吾建築図鑑です。
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今日のプチコラム
今回の参考書籍の隈研吾建築図鑑以外にもとても役に立った書籍がありますので紹介します。
もしよければご一読ください。「場所原論」 著:隈研吾
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皆さん、明日も頑張りましょう!
公式サイトも併せてチェック!
シーラカンスCAtの公式サイトはコチラです。
C+A - Coelacanth and Associates | スペースブロックハノイモデル (c-and-a.co.jp)
施設概要
所在地 ベトナム・ハノイ
主要用途 実験集合住宅
構造 鉄筋コンクリート造 地上4階 塔屋2階
敷地面積 271.27㎡
建築面積 271.27㎡
延床面積 466.71㎡
設計 小嶋一浩+東京理科大学小嶋研究室+東京大学生産技術研究所曲渕研究室
設計・監理協力 まんぼう
施工 ハノイ建設大学
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