【原美術館ARC】磯崎新の黒くシャープな建築が完成!

出典:https://www.haramuseum.or.jp/jp/arc/about/
ジャン=ミシェル オトニエル「Kokoro」2009 撮影:白久雄一


概要

公益財団法人アルカンシエール美術財団(理事長:原俊夫)は、1979年に当時の日本では希少な現代美術専門館として、東京都品川区に「原美術館」を、1988年には群馬県渋川市に別館「ハラ ミュージアム アーク」を開館しました。そして、現代美術を通じた国際交流の推進と現代美術の活性化を軸に、アーティストとともに多彩な活動を展開してきました。原美術館は、2021年1月に東京での活動を終え、原美術館とハラ ミュージアム アークを統合、ハラ ミュージアム アークを改称し、2021年4月、群馬県渋川市にて「原美術館ARC」としてリニューアルオープンしました。


ARCとは?
運営母体の財団名「アルカンシエール/Arc-en Ciel(虹)」を象徴しています。さらに、「アートセンター」の意味も含まれます。多種多様な人々が集い、新たな価値を創造する場としての活動を今後も続けていくそうです。

行ってみるには?

見どころ

ギャラリーは三つで、それらはシンメトリーを意識し配置されています。その形は、ピラミッド型の屋根を持つギャラリーAと両翼に細長く伸びるギャラリーB・Cというようになっており、どのギャラリーも柔らかい自然光がトップライトから降り注ぐシンプルな空間が作られています。

屋外にはアンディ ウォーホルやジャン=ミシェル オトニエルをはじめ、内外の現代アーティストによる常設作品が点在しています。

出典:https://www.haramuseum.or.jp/jp/arc/about/
特別展示室「觀海庵」(過去の展示から)撮影:齋藤さだむ

一方、一番の見どころだと私が思うのは、上写真の特別展示室、「觀海庵(かんかいあん)」は、書院造をモチーフとした伝統と現代の交差する静謐な和風の空間となっていて、至る所に名工の技が光っています。
ちなみにこの内部は撮影禁止ですが、初めて自分から「スケッチブックにこの感動を残しておきたい!」と思い、思わずスケッチブックに筆を走らせたものでした。まだ建築学部1,2年生の方は木造建築についての勉強を少ししておくとより面白いと感じると思いました。

また、入口の「 觀海」の文字は、なんと磯崎新氏の直筆だそうです。

公式サイトをまずチェック!

公式サイトはコチラ
https://www.haramuseum.or.jp/jp/arc/

所在地

出典:https://www.haramuseum.or.jp/jp/arc/access/

アクセス

公式サイトに記載があります。

ご利用案内(営業時間等(一般開放について)、利用料金)

現在は冬季期間(22/1/11~3/18)であるため、休館しています。

営業時間:9:30-16:30(入館は閉館時刻の30分前まで)
休館日:木曜日(祝日と8月、2021年12月30日を除く)展示替え期間、1月1日、冬季(2022年1月11日から3月18日まで)
入館料:一般 ¥1,100 / 大高生 ¥700 / 小中生 ¥500 / 70歳以上 ¥550
・原美術館ARCメンバーは無料
・70歳以上半額、20名様以上団体割引あり、学校団体は別途料金規定あり。
・隣接する伊香保グリーン牧場 とセットになったお得なチケットもあります(一般1,800円、大高生1,500円、中学生1,400円、小学生800円/※2021年5月2日[日]、3日[月]、4日[火]は販売を中止いたします。)。
[群馬県在住の皆様へ]県内の小中学生は学期中の土曜日は入館無料。ぐーちょきパスポートのご提示により5名様まで入館料200円割引。

もっと詳しく(独自の観点からの評価 )

建築家(構造設計)

磯崎新氏で、2019年に建築界でのノーベル賞である、プリツカー賞を受賞しています。

その他の詳しい経歴
1931年大分県生まれ。
●主な建築作品 大分県立図書館(大分/1966年)、群馬県立近代美術館(群馬/1974年)、つくばセンター・ビル(茨城/1983年)、ロサンゼルス現代美術館(アメリカ/1986年)、ハラ ミュージアム アーク(群馬/1988年、2008年)、サン・ジョルディ・スポーツホール(スペイン/1990年)、水戸芸術館(茨城/1990年)奈義町現代美術館(1994年)、秋吉台国際芸術村(山口/1998年)、セラミックパークMINO(岐阜/2002年)、深玔文化センター(中国/2007年)、カタール国立コンベンションセンター(カタール/2011年)、上海ヒマラヤ芸術センター(中国/2013年)など。
●主な企画・監修
第14回ミラノ・トリエンナーレ「電気的迷宮」(1968年)、「間ー日本の時空間」展企画・構成・展示(パリ・日本/1978-81年)、第6回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展 日本館コミッショナー「亀裂」(1996年)金獅子賞受賞、中国国際建築芸術実践展コーディネーター(南京/2003年)など。コンセプト

コンセプト

觀海庵のコンセプトは、既存の現代美術ギャラリーとはまったく違う、

内部に三間四方の書院造の空間が、入れ子のように設えてある、日本の伝統的な空間を意識させるものとなっています。

引用:https://rakukatsu.jp/tetsu-to-bi-01-haramuseumarc/

今までギャラリー間などは風通しの良い廊下を通って来た後、最後に、一気に静謐な空間があり、気持ちが引き締まる思いがして、そのくらい人々に影響を与えることが建築にはできるのだともっと建築について知りたい、好きだ、と思いました。
今まで木造建築にはあまり興味がなかった私ですが非常に感動しましたので、ぜひ一度訪れてください。

機能的提案

トップライトから降り注ぐ光と、そのシャープな黒の外観から、美術館という機能に必要となる静かで緊張感のある空間を創り出している。

外観

出典:https://www.fashion-press.net/news/71126 撮影:齋藤さだむ

緑とのコントラストが美しい黒い色調のシャープな木造建築は、それ自体がアートだ。

内観

内壁も外壁も木や石といった天然素材を用いることにより、そのシャープな外観とは印象が一変、優しさやぬくもりを感じられる建築となっています。

計画のはなし

図面は?

出典:https://www.haramuseum.or.jp/jp/arc/visiting/
  • 1:現代美術ギャラリーA
  • 2:現代美術ギャラリーB
  • 3:現代美術ギャラリーC
  • 4:トイレ
  • 5:ミュージアムショップ
  • 6:コインロッカー/トイレ・多目的トイレ
  • 7:開架式収蔵庫
  • 8:特別展示室「觀海庵」

平面、配置計画

上写真のように中心にギャラリーAがあり、その上と下にギャラリーB,Cが放射状に続いている。

動線計画 

私が訪れた際は、A,B,C(写真では、1,2,3)という順番に回った。

上写真が觀海庵へと続く渡り廊下で、そこはガラスのない半野外の空間となっており、赤城山を望む緑豊かな絶景を借景するものとなっている。下界では味わえない空気が楽しめる絶好のビューポイントとなっています。

環境計画

車で行ったときの入り口の写真。
緑と黒という色合いが、隈研吾氏も使うように美しいと自分は考えています。

まとめ

参照サイト等

・https://www.haramuseum.or.jp/jp/arc/about/
・https://bijutsutecho.com/exhibitions/4560
・https://www.art-it.asia/u/HaraMuseum/xznchia56ut0oqdxthri
・https://www.fashion-press.net/news/71126
・https://www.greenbokujo.jp/do/appreciation/museum
・https://www.haramuseum.or.jp/jp/arc/exhibition/576/
・https://rakukatsu.jp/tetsu-to-bi-01-haramuseumarc/
(↑このサイトが今回一番タメになりました!)

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