【プロソミュージアム・リサーチセンター】隈氏設計の、軽やかな立体格子の研究開発施設
概要
歯科材料メーカーのジーシーデンタルプロダクツが50周年に建設した研究開発施設です。
行ってみるには?
見どころ
この立体格子です。釘や接着剤を用いずに小断面の木材で組み上げられているそうです。
日本の「千鳥」という木組みの一種を用いた外観となっています。
この周りの「千鳥」を構成する木材は、6cm角です。
元来は、木造では最も繊細なものでも9cm角だったので、6cm角を使うだけで、今まで見たことがないくらい軽やかな印象になりました。
公式サイトをまずチェック!
隈研吾氏の事務所の公式サイトです。
GC Prostho Museum Research Center – GC プロソミュージアム・リサーチセンター | Architecture | Kengo Kuma and Associates (kkaa.co.jp)
所在地
アクセス
勝川駅から徒歩25分
ご利用案内(営業時間、一般開放しているか、利用料金等)
見学について(予約受付10:00~16:00)
(0568)81-7171 ←ジージーデンタルプロダクツ
もっと詳しく(独自の観点からの評価 )
建築家(構造設計)
隈研吾氏です。
構造設計は佐藤淳氏となっています。
コンセプト
木造建築という空間のきめ細やかさの再現。
外観
上にいくに従ってせり出していく断面形状は、木材を雨から守るための工夫であり、木材の端部を守る、清潔感のある白いペイントも、同様に木材を雨による腐食から守るための仕掛けである。
内観
50cmというモジュールの細かいグリッドにより光が拡散され、木漏れ日のような光の効果を得ることができました。
計画のはなし
図面は?
私調べでは見つかりませんでした。
平面・配置計画
地下1階、地上3階です。
構造計画
この立体格子自体が実は、構造体にもなっています。なんと、この「千鳥」の構造で、9mもの階高を支えている場所もあります。
耐震性能を確保するため、木造だけでなく、コンクリート造との混構造です。
まとめ
隈研吾氏の考えによれば、技術革新や集成材の登場によって木材でも大空間を作ることができるようになりました。しかし、木造の自然素材に固有の限定された寸法が木造空間に独自のきめ細やかさを与えていたといいます。隈研吾氏はこのように考えて木を使っていたのですね。その理由が少しわかった気がしました。
参照サイト等
・場所原論 隈研吾
・隈研吾建築図鑑 画・文:宮沢洋
・GC Prostho Museum Research Center – GC プロソミュージアム・リサーチセンター | Architecture | Kengo Kuma and Associates (kkaa.co.jp)
・【建築探訪】GCプロソミュージアムリサーチセンター/隈研吾建築都市設計事務所 – 建築グラビア (christinayan01.jp)
・GCプロソミュージアムリサーチセンター / 隈研吾建築都市設計事務所(The facade of GC Prostho Museum Research Center / Kengo Kuma & Associates ) – 建築グラビア (christinayan01.jp)
・隈研吾設計の建築、プロソリサーチセンターという巨大格子の森。 (peco-ken.com)
参考書籍
隈研吾氏の建築を学ぶ上で、私がいつも参考にさせていただいている書籍は、「隈研吾建築図鑑」という名前で、著者は宮沢洋さんです。日経の出している本なので内容は安心かつ、すべてイラストで構成されているため、とても読みやすいです。
図解でわかりやすく、かつ明快な分類でまとまっていることがこの本の特徴です。初心者の私でも読むのが楽しく、かつ建築学生として有用な知識が詰まっていました。
隈研吾建築の変遷を全体的に捉えること、一つ一つの建築の特徴を理解すること、というどちらものアプローチで学ぶことができます。
ぜひ手に取ってみて下さい!
この書籍も作品集ですが、上の書籍よりも深く学ぶことができます。上の書籍で広く浅く隈建築を知ったあとに、少し深掘りする、という使い方が良いと思います。
図面なども載っていて、ボリューム感が良いです。とてもおすすめです。
言わずと知れた名著です。建築に携わるものとして、読むことは必須だと思います!
今日のプチコラム
木材の面白さを少し理解できた気がします。
皆さん、明日も頑張りましょう!