【シーグラム・ビル】
概要
こんばんは!「一日一建築」と称して毎日自分の好きな建築について発信しています著者のちぇりーです!
このサイトの特徴として、建築学生が建築計画という観点から評価するというところで、ボリュームは少し多めですが、その分、建築についてより深く学べると思うのでぜひ見てみて下さい!
さて、本日紹介する建築はシーグラム・ビルで、設計はミース・ファンデル・ローエとフィリップ・ジョンソンによって設計されたシーグラムのアメリカ本社です。フィリップ・ジョンソンは主に内装を手掛けているため、外装はミースの思想がそのまま反映された設計となっています。
1958年に完成したこの建物は、38階もあります!
見どころ
黒く塗られシャープに見せた鉄骨とガラスでつくられたシンプルなファサードに注目です!
これは、彼のインターナショナル・スタイルを確立した建築と言われています。
また、斜線制限をクリアするためにセットバックしたためにできた広場が心地よいと注目され、その後、ビルには公開敷地となる広場を必要とする条例ができたほどでした。やはりミースは、その後の標準をつくりあげる才能の持ち主だったのですね。
建築としての評価は?
建築家
今回の設計は、ミース・ファンデル・ローエで、こちらのサイトで彼についてより詳しく紹介しています!
ぜひご覧ください!
コンセプト
インターナショナル・スタイルのオフィスビルを作ることです。
機能について
では、インターナショナル・スタイルとは何か?
それは、誰でも同じ設計ができ、どの地域でも使いやすいよう、どんな機能にも対応できるユニバーサルスペースを持つ空間がある建築を作る思想です。
これは、ミースが創り上げました。特にユニバーサルスペースという考え方は、今日でもオフィス建築を考えるときには知っておくことが必須の概念ですので頭の片隅に置いておいてください。
また、ここからは伝統を知ることが重要だと思いました。なぜなら伝統や歴史を知らずに新しいものを提案しようとも先人が思いついていることが多いからです。いつまで経っても勉強で大変ですが一緒に頑張りましょう!
外観
鉄とガラスのシンプルな直方体をしていますが、実は周りを見渡してみると、ここまでそぎ落としたデザインはなかなか珍しいでしょう。
特に東京ではどのビルも、個性を出そうとしすぎて余計なボリュームを追加することで、かえって平均的なものばかりになっています。
しかし、このビルは違うということがよくわかりますね。ミースの思想の強さがうかがえます。
このようにマリオンは構造ではない装飾として使っているところがレイクショアドライブアパートメントと似ていますね。レイクショアドライブアパートメントについては以下のサイトで紹介しています。
レイクショアドライブアパートメントは、このシーグラム・ビルで確立したユニバーサルスペースの概念を、そのまま住宅へと取り入れてしまった建築となっています。
内観
写真は当時のオフィスの内観で、ユニバーサルスペースという考え方のとおり、コアを建物内に集中させ、作業スペースには柱の存在感を感じさせない工夫が見て取れますね。
ここで考えるべきことは、この写真が違和感がないということは、この時からオフィス建築の内部空間は進化していないということです。
私たちは、これを刷新する新たな空間について考えていくべきなのでしょう。
また、材料に関してはミースがよく使うトラバーチンという材が使われていて高級感あふれるものとなっています。
計画
これが、この建築の基本の階の平面図で、この写真からわかるように、ユニバーサルスペースを実現していますね。
最後に
このブログでは、「一日一建築」と称し、毎日、主に隈研吾氏の建築を紹介していましたが、ほかの方の建築も紹介しています。よかったらご一読ください。↓
Pioneer Of Attractive Archi – より深く名建築について知ることができるサイト。 (attractive-archi.tech)
昨日紹介した建築はコチラ!
参照サイト等
・Global Infrastructure Partners | Fisher Brothers | 1345 Sixth Ave (therealdeal.com)
・シーグラムhttps://ja.wikipedia.org/wiki/シーグラム・ビルディング
・シーグラムビル | ニューヨークの建築を訪ねて(アメリカ)No.23 | Tabi/世界の建築 | お知らせ | デザイナーズマンション,株式会社リネア建築企画 (linea.co.jp)
・3-3. ミース・ファン・デル・ローエ(5) | オフィスの建築設計ならトゥループロパティマネジメント株式会社 (truepm.co.jp)
・What Mies did not see done: Federal Center of Chicago | The Strength of Architecture | From 1998 (metalocus.es)
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