【富岡倉庫三号棟改修】富岡製糸場へのアクセス途中の隈建築
概要
明治期から段階的に建てられた3棟が連なる「富岡倉庫群」の耐震改修を隈研吾氏が行いました。県道を挟んで向かいにある富岡市役所も隈研吾氏の設計となっていて、駅から歩いてくると、市役所を通って富岡製糸場へとアクセスできます!
行ってみるには?
見どころ
木造の繊細さを傷付けない耐震補強を目指した 隈研吾氏
隈研吾氏による「あやとり」のような木造補強、炭素繊維強化プラスチック | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
なんと、ここに使われているこの「白い糸」のようなものは、「カボコーマ・ストランドロッド」です。どこかで聞いたな?というあなた!そうです。これは、小松マテーレ(ファーボ)の時に使われていたロッドになっています。ぜひファーボのサイトもご一読ください。↓
これがカボコーマです。
その他のサイトをチェック!
隈研吾氏の建築事務所、KKAAの公式サイトです。
TOMIOKA WAREHOUSE No.3 WAREHOUSE – 富岡倉庫3号倉庫 | Architecture | Kengo Kuma and Associates (kkaa.co.jp)
新建築データです。
富岡倉庫3号倉庫 - 隈研吾建築都市設計事務所 | 新建築データ (shinkenchiku.online)
所在地
アクセス
上州富岡駅(これも有名建築家さん、武井誠+鍋島千恵/tnaの建築となっています!)
屋根が浮いたような建築で、軽いような重いような、つかみどころがないな、と思いました。
武井誠+鍋島千恵/tnaとは?
「キリの家」などに代表される建築家さん。とても興味深い建築なのでぜひサイトをご一読ください!
新建築データはコチラ↓
キリの家 - 武井誠+鍋島千恵/TNA | 新建築データ (shinkenchiku.online)
ご利用案内(営業時間、一般開放しているか、利用料金等)
一番に着手された三号棟は、一般開放されているマーケットとなっています。
また、市役所は自分が訪れた時が平日ではなかったのかやっていませんでした。。。
もっと詳しく(独自の観点からの評価 )
建築家(構造設計)
隈研吾氏の事務所、隈研吾建築都市設計事務所の武田清明設計室長となっています。
コンセプト
木材の繊細さを傷つけない耐震補強です。
これは、元あるものを活かすという隈建築の考えが活かされていますね。
機能的提案
マーケットとなっています。
上写真は、駅側から見たときに見えるショーケースで、斜めに入ったガラスが印象的でした。
デザインのプロセス
世界遺産登録となった富岡製糸場の倉庫であるため、生糸をイメージするもので耐震補強を行いたかったところ、ファーボのロッドを使うこととなりました。
外観
耐震補強ですので、そのままとなっています。
これは一号倉庫ですが、外観はこのようになっています。
内観
ロッドがあやとりのように交差させながらピンピンに張って小屋組みを締めています。
その下の木材まで目が行きます。木目が出ていて美しいですね。
自分は、上を見上げた時のこの部材のシンプルさがとても好きです。木をロッドと、アルミサッシで補強したのだ、とわかりやすく、洗練されていることが現代の建築には必要だと非常に思わされました。
計画のはなし
図面は?
ダイアグラムパースが隈さんの事務所、KKAAのサイトに載っています。ぜひチェックしてみて下さい。
断面計画
詳しくは、日経クロステックの記事をご覧ください。上の写真をクリック!
構造計画
西欧では、既存の木造建築を内部から鉄骨で補強し、中が強固で、外が柔らかいため動きにずれが生じることが問題となっていたため、揺れを連動させるため、カボコーマを採用したそうです。
既存のトラス小屋組みや壁を最大限に生かした耐震補強となっています。
お恥ずかしながら自分は初めて新建築オンラインを見させていただきましたが、とてもためになりました。ぜひ見てみて下さい。↓
富岡倉庫3号倉庫 | ヴィジュアルインデックス | 新建築オンライン (shinkenchiku.online)
動線計画
町全体でみた動線は、上州富岡駅から目の前に広がる三棟の富岡倉庫、その後すぐに市役所がある。そこを通って南に富岡製糸場へアプローチする、といったコースが良いと思います!
まとめ
参考書籍
隈研吾氏の建築を学ぶ上で、私が一番におすすめしている書籍です。
図解でわかりやすく、かつ明快な分類でまとまっていることがこの本の特徴です。初心者の私でも読むのが楽しく、かつ建築学生として有用な知識が詰まっていました。
隈研吾建築の変遷を全体的に捉えること、一つ一つの建築の特徴を理解すること、というどちらものアプローチで学ぶことができます。
ぜひ手に取ってみて下さい!
言わずと知れた名著です。建築に携わるものとして、読むことは必須だと思います!
参照サイト等
・キリの家 - 武井誠+鍋島千恵/TNA | 新建築データ (shinkenchiku.online)
・隈研吾建築図鑑 画・文:宮沢洋
・隈研吾氏による「あやとり」のような木造補強、炭素繊維強化プラスチック | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)
・TOMIOKA WAREHOUSE No.3 WAREHOUSE – 富岡倉庫3号倉庫 | Architecture | Kengo Kuma and Associates (kkaa.co.jp)
・富岡倉庫3号倉庫 - 隈研吾建築都市設計事務所 | 新建築データ (shinkenchiku.online)
・新・レトロ建築写真帖 富岡倉庫 1号倉庫 (fc2.com)
・富岡倉庫3号倉庫 | ヴィジュアルインデックス | 新建築オンライン (shinkenchiku.online)
今日のプチコラム
以前、KKAA(隈研吾建築都市設計事務所)が設計の依頼をされた小松マテーレの開発した素材を使っています。このように、建築の世界は、特につながりが重要となってくるのだなと思いました。
最近、よい友達が本当に増え、このような「繋がり」を自分も大切にしていこう、と思いました。
皆さん、明日も頑張りましょう!