水/ガラス(現・ATAMI海峯楼(かいほうろう))
概要
美しい太平洋の海と建築との接続をコンセプトに、隣地のタウトの設計・日向邸も参考にし、日本の伝統をよみがえらせた隈研吾設計の建築。
独自の観点からの評価
建築家
隈研吾さん
もっと隈研吾さんについて知りたい場合はコチラ↓
(ブルーノ・タウト氏)
日本のミニマリズムについての著書があり、それはかのル・コルビュジェやヴァルター・グロピウスにも影響を与えたとされている。また、桂離宮について評価したとのことで有名。
日本において唯一の建築が紹介した日向邸だ。
所在地・アクセス
コンセプト
概要にもある通り、海との接続だ。
その方法として、タウトの「建築とは携帯ではなく自然との関係性である」という日本建築の原理に倣って設計した。
美しい海の広がる外部との接続を一番に考えた内部とは?を突き詰めた作品で、隈研吾さんの大きな転機となった。
タウトがお隣の日向邸でやったよりも、もっと近くに海を引き寄せることはできないだろうか、いっそのこと、水面だけでできた建築をここで作ってみたくなりました。
『場所原論』 著:隈研吾
このように、海岸という心地の良い場所を建築に引き込みたいと考えたのです。
機能的提案→内部の機能についてもっと知ることができます
海に抱かれながら眠ることのできるホテルです。
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なんとここは、客人たちに目の付く場所にあるのではなく、宿泊客の食事に使われているといいます。
食事をしながら太平洋の美しい眺めを臨むことのできるホテル。憧れます。社会人になったらぜひ自分の稼いだお金で訪れたいです。
ちなみに、ここにおいてある椅子もガラスと細い鉄でできており、隈研吾氏の「軽さ」を表現している。それだけでなく、椅子や机にまでこの風景には邪魔だ、と排除してしまう隈研吾氏のやり切っているところが尊敬だ。
デザイン
この建築の特徴となる水盤は、日本建築の伝統である
境界をガラスにする事によって接続されるわけではなく、縁側や庇などの水平面を媒介として、一つに接続される。
建築と水 | 全国ケンコミ 建築学生の結節点 (zenkokukenkomi.com)
ということにならい、水平のどこまでも続くような水盤を使用したと考えています。
平面計画
その外観からは、この建築のコンセプトの「水/ガラス」は全く感じられない。しかし、中に入ったとたんにそれを感じさせられるという。
なぜなら、館内のいたるところに水とガラスをテーマにした演出がされているからだ。
このホテルには、客室はたったの4室しかない。
断面計画
この世界観を失わない工夫が至る所になされているのだ。
参考書籍
隈研吾氏の建築を学ぶ上で、私が一番におすすめしている書籍です。
図解でわかりやすく、かつ明快な分類でまとまっていることがこの本の特徴です。初心者の私でも読むのが楽しく、かつ建築学生として有用な知識が詰まっていました。
隈研吾建築の変遷を全体的に捉えること、一つ一つの建築の特徴を理解すること、というどちらものアプローチで学ぶことができます。
ぜひ手に取ってみて下さい!
言わずと知れた名著です。建築に携わるものとして、読むことは必須だと思います!
参照
・Water / Glass – 水 / ガラス | Architecture | Kengo Kuma and Associates (kkaa.co.jp)
・『場所原論』 著:隈研吾
・『隈研吾建築図鑑』 画・文:宮沢洋
・建築と水 | 全国ケンコミ 建築学生の結節点 (zenkokukenkomi.com)
・隈研吾が手がけた水とガラスの城、ATAMI海峯楼で相模湾に抱かれて眠る | Mondo Alfa (alfaromeo-jp.com)
・ATAMI海峯楼【公式】 (atamikaihourou.jp)