【I remember you】うねる帯の織りなす建築
概要
こんばんは!「一日一建築」と称して毎日自分の好きな建築について発信しています著者のちぇりーです!
このサイトの特徴として、建築学生が建築計画という観点から評価するというところで、ボリュームは少し多めですが、その分、建築についてより深く学べると思うのでぜひ見てみて下さい!紹介している建築については、今とても注目を集めるパラメトリックデザインを用いて設計されたものを紹介していますので、ぜひ見てみて下さい!
さて、今日の建築は、「I remember you」です。この建築は、東京都世田谷区三軒茶屋にある、前田紀貞さんの設計となっています。
行ってみるには?
見どころ
アルゴリズムによって操作された光の入り方です。幻想的ですね。
この後具体的なアルゴリズムについて説明していきます。
まさに「心」や「思い」など形のないものをコンセプトにしているに違いないと思いました。
どこまでも真っ白な様は、「死」を彷彿とさせますね。
建築としての評価は?
建築家(構造設計)
今回の設計は、前田紀貞氏です。
彼は、アルゴリズミックデザインで有名です。とても興味深いブログ記事を書かれていますので是非ご覧ください。
少し長めですが、パラメトリックデザインについて少しでも学びたい、という方はぜひ見てみると良い記事だと思います。
また、難しいアルゴリズミックデザインを可能にするために重要と言える構造設計は、梅沢建築構造研究所が手掛けています。
アルゴリズムは?
写真が、玄関の採光です。幻想的に光が差し込みます。
多層の建築で、設計者の意図する位置に、意図する量の自然光を導く設計を得ることが目標とされました。
四方を囲まれながらも外光を取り入れるためにはトップライトが有効だが、その光を最適に取り入れるために現場の年間を通した日照を数値化し建物の「形態」と「空間」をアルゴリズムにより決定していった新しい試みの建築。
引用:japan-architects.com: 前田紀貞による三軒茶屋の住宅「I remember you」 (world-architects.blogspot.com)
具体的にはまず、周辺建物などに影響を受ける実際の敷地を、年間を通して日射を総和算定します。そして、指定場所への採光量が最大になるようにトップライトの位置や大きさを調整し、できました。
この実験では、光に密度を実態空間に置き換えるような操作を可能とするためのもの、でした。
コンセプト
視線のつながり、そして、心のつながりを保つということでしょう。
デザインのプロセス
この帯のような建築が生まれた背景には、プライバシーと採光というせめぎあいがありました。
機能について
住宅です。3,4人の家族用なのかなと思いました。
外観
アルゴリズムを使ってスタディされた内部空間のためのトップライトが外観に表れています。
シームレスなファサード、そのおかげでベランダからの景色は、空を切り取ったかのように見えます。
内観
シームレスなのは外観だけではなく、内観もでした。このようなシームレスで永遠を感じさせる仕上げはは、あなたを「ずっと」忘れない、という名前につながっているかもしれませんね。
また、浴室などにもガラスを使って、空間を仕切りたくないという主張を表している。これによって視覚的にも常につながっていることで「あなたを忘れない」のかもしれない。
この建築の構成材料
コンクリートに、全面真っ白で仕上げが塗られています。
建築家界での評価は?
計画のはなし
環境・敷地計画
四方を囲まれ、さらに周辺にある高い建物のせいで、採光が制限されている状況です。
平面・配置プラン
平面計画は一般的と言えるでしょう。
入ってすぐに玄関、螺旋階段があり、その左に浴室、右に居室が位置しています。
二階がリビングで、三階は居室となっています。
また、面白いのがこの平面の形。実際に入ってみたいです。
動線プラン
自分が気になったのは、三階のプランで、階段を上がってすぐの部屋はよいのですが、もう一方の部屋には、ベランダを渡らないと入れない仕組みになっています。
これは、「回遊性」を意識しているのでしょうか。
構造プラン
おそらくですが、RC造ですね。後の動画にもありますが、階段が二段分ほどなので、スラブ厚は320~360㎜程度だと考えられます。
図面は?
図面はありませんが、こちらの動画を見ていただくと、この住宅の全貌が見えると思います。ぜひ見てみて下さい!
最後に
このブログでは、「一日一建築」と称し、毎日、主に隈研吾氏の建築を紹介していましたが、ほかの方の建築も紹介しています。よかったらご一読ください。↓
Pioneer Of Attractive Archi – より深く名建築について知ることができるサイト。 (attractive-archi.tech)
昨日紹介した建築はコチラ!
参考書籍の紹介
今日から紹介する、アルゴリズミック・デザインの建築の設計プロセスが載っている本で、伊東豊雄氏の建築なども載っています。おすすめなのでぜひこの書籍をどうぞ読んでみて下さい。
下の書籍は、上の書籍を読んだ後に読むべき実践編の書籍です。Processingというプログラミング言語を使ったデザインの実践に関する書籍です。
その一方で、この書籍はProcessingよりも新しくできた、Rhino+Grasshopperというソフトを使ったアルゴリズミック・デザインをする初心者向けの書籍となっています。とてもお世話になっている、おすすめの本です!
参照サイト等
・アルゴリズミック・デザイン 編:日本建築学会
・japan-architects.com: 前田紀貞による三軒茶屋の住宅「I remember you」 (world-architects.blogspot.com)
・作品:I remember you | 前田紀貞アトリエ 一級建築士事務所 東京 (maeda-atelier.com)
・http://maeda-atelier.com/blog/article/アルゴリズム建築って嫌いですか?(NO1~3)
公式サイトも併せてチェック!
公式サイトはこちらです。
作品:I remember you | 前田紀貞アトリエ 一級建築士事務所 東京 (maeda-atelier.com)
また、事務所が出している動画もぜひご覧になってください。
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