【東京住宅】渡辺誠氏の、生について考えた住宅
概要
こんばんは!「一日一建築」と称して毎日自分の好きな建築について発信しています著者のちぇりーです!
このサイトの特徴として、建築学生が建築計画という観点から評価するというところで、ボリュームは少し多めですが、その分、建築についてより深く学べると思うのでぜひ見てみて下さい!紹介している建築については、今とても注目を集めるパラメトリックデザインを用いて設計されたものを紹介していますので、ぜひ見てみて下さい!
さて、今日の建築は、「東京住宅」です。この建築は、渡辺誠氏の事務所、アーキテクツオフィスの設計です。
また、この建築は、人間の生死をテーマにして作られたそうです。詳しくお話ししていきます。
行ってみるには?
見どころ
このレイヤー分けされて考案されたファサードや、平面のプランが見どころになっています。これらは、住宅という機能を意識したプログラムによってつくられています。
建築としての評価は?
建築家(構造設計)
今回の設計は、渡辺誠氏の事務所、アーキテクツオフィスです。
彼の作品には、代表作にこれがあります。
青山製図専門学校一号館です。かのガンダムかな?とまで思わせるような奇想天外な外観をしていますが、そのコンセプトは、部分は自由なのに、全体はまとまっていること。
この建築を紹介された瞬間に私はこの建築家、渡辺誠さんに興味を持つようになりました。これからも紹介を続けていきたいと思います!!ぜひ公式サイトもご覧になってください。このサイトでは、建築思想やディテールについてまで語られていて、アルゴリズミックデザインに興味がある方にはぴったりだと思います。
MAKOTO SEI WATANABE | 渡辺 誠 (makoto-architect.com)
また、難しいアルゴリズミックデザインを可能にするために重要と言える構造設計は、第一構造が手掛けています。
アルゴリズムは?
設計者は、周囲環境との調和は大切だが、溶け込むなどして建築を消すことはなく、むしろ独自性を持ってほしい、そのように考えています。そのため一見ビビットにも思える色彩を採用しています。
また、今回のプログラムの目的は、敷地環境の色彩特性と調和した色彩配列パターンを得ることです。
今までとは異なり、(毎日アルゴリズムを利用した設計を紹介していますので、ぜひご覧になってください。
昨日紹介した建築はコチラです。→https://attractive-archi.tech/i-remember-you/)生成のプログラムは持っておらず、具体的には、周辺写真を入力することで、調和しているかどうかを評価するプログラムとなっています。
アルゴリズミックデザインの良いところは、一度ルール(プログラム、アルゴリズム)を作り上げてしまうことで、同じコンセプトの建築が、全く異なる姿で、その土地に合ったものとして作られる、その再現性ですね。
コンセプト
初めは、死を控えた依頼者が、残りの生の時間をよりよく過ごすことのできる場所でした。
デザインのプロセス
このコンセプトに対して、建築というハードウェアを用意することしかできないと考える設計者が打ち出したのは、残りの少ない時間を楽しく過ごせるよう、「空間が変化する」場所でした。そのために、どう変化をつけるのか、それが、内外空間でした。住宅のところどころに外部が入り込んできています。
これが主に平面計画を決定する大きな要素となります。
このプランは、建ぺい率の関係で、半分ずつになった内外の比率を応用したものです。この、敷地のすべてが内部であり、同時に外部でもあるようにできないかという考え方は前作 「SHANGHAI HOUSE」 に通じるそうです。
また、変化する建築というコンセプトからは、もう一つこの建築に特徴を与えているのが分かります。それが波です。
どういうことか?「波」は動きを与えます。それが、変化する建築につながると設計者は考えているのでしょう。
さらに、この動きがある建築要素とは何か考えた時に、それを床の間だと定義したようで、その床の間の重心がずれていることに着目しました。これは、内観や外観を決定する大きな要素となっています。
機能について
住宅で、敷地の法的条件から、2層になっています。
当人である母のエリアは下階で、上階がふたりの息子夫婦の住まいと決められた。
外観
内観
設計者は、このようにクリアにできるのは、住宅だからこそ、と機能をしっかりと読み直しています。
このように、規制や制約を活かすことができるとよいと思いました。特に大学の設計課題の中では小学校がとても制約が多いものとなっていますので、そういう時に、制約の読み解きをしっかりとすることが重要になってきます。
計画のはなし
環境・敷地計画
敷地の色彩に調和するためにプログラムが組まれています。
平面・配置プラン
内外のつながりある平面で、自分でガラスというスクリーンを制御することで、変化する建築となっています。上の写真は、すべて異なるスクリーンの開け方となっています。
断面プラン
動線プラン
構造プラン
RC造だと思われます。
真っ白が特徴的です。生死を意識しているのか、、、?
図面は?
公式サイトに載っています。
また、色がついているので、内外という空間の存在がとても分かりやすいものとなっています。しかし、すみませんが画像が荒いため、寸法等は一切読み取れません。
最後に
このブログでは、「一日一建築」と称し、毎日、主に隈研吾氏の建築を紹介していましたが、ほかの方の建築も紹介しています。よかったらご一読ください。↓
Pioneer Of Attractive Archi – より深く名建築について知ることができるサイト。 (attractive-archi.tech)
昨日紹介した建築はコチラ!
参考書籍の紹介
渡辺誠さんの著書です。アルゴリズミック・デザインを先駆けた本として多くの人に影響を与えています。
今日から紹介する、アルゴリズミック・デザインの建築の設計プロセスが載っている本で、伊東豊雄氏の建築なども載っています。おすすめなのでぜひこの書籍をどうぞ読んでみて下さい。
下の書籍は、上の書籍を読んだ後に読むべき実践編の書籍です。Processingというプログラミング言語を使ったデザインの実践に関する書籍です。
その一方で、この書籍はProcessingよりも新しくできた、Rhino+Grasshopperというソフトを使ったアルゴリズミック・デザインをする初心者向けの書籍となっています。とてもお世話になっている、おすすめの本です!
参照サイト等
・アルゴリズミック・デザイン 編:日本建築学会
・MAKOTO SEI WATANABE | 渡辺 誠 (makoto-architect.com)
たくさんの建築の、どうやってできたかの部分が載っている本で、伊東豊雄氏の建築なども載っています。おすすめなのでぜひこの書籍をどうぞ読んでみて下さい。
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参考にしている書籍の紹介
私がいつも参考にさせていただいている書籍は、「隈研吾建築図鑑」という名前で、著者の方は宮沢洋さんです。日経の出している本なので内容は安心かつ、すべてイラストで構成されているため、とても読みやすいです。
狭く深くというより、隈研吾さんの事務所の設計した建築について広く浅く学ぶことができます。初学者の方から、隈研吾さんの建築をいくつかしか知らないという方に本当におすすめなので、ぜひご一読ください。隈研吾建築図鑑です。
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今日のプチコラム
今回の参考書籍の隈研吾建築図鑑以外にもとても役に立った書籍がありますので紹介します。
もしよければご一読ください。「場所原論」 著:隈研吾
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皆さん、明日も頑張りましょう!
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