【台中メトロポリタンオペラハウス】伊東豊雄氏のびっくり建築
概要
こんばんは!「一日一建築」と称して毎日自分の好きな建築について発信しています著者のちぇりーです!
このサイトの特徴として、建築学生が建築計画という観点から評価するというところで、ボリュームは少し多めですが、その分、建築についてより深く学べると思うのでぜひ見てみて下さい!紹介している建築については、今とても注目を集めるパラメトリックデザインを用いて設計されたものを紹介していますので、ぜひ見てみて下さい!
さて、今日の建築は、「台中メトロポリタンオペラハウス」です。この建築は、伊東豊雄氏の設計で、とても印象的な外形をしています。コンペでかのザハ氏と戦い、勝ち抜き実現しました。その過程では、
行ってみるには?
見どころ
エポックメイキングなこの造形です。造形に人間が合わせるようになっていますね。
外観からもわかるように、洞窟のような内部が形作られています。
所在地
アクセス
ご利用案内(営業時間、一般開放しているか、利用料金等)については、コロナ下において変更の可能性もありますので、ご自身でHPのほうをご覧ください。
建築としての評価は?
建築家(構造設計)
今回の設計は、伊東豊雄建築設計事務所です。
彼の代表作には、ぐりんぐりんや、レ・アール国際設計競技があります。ぜひ見てみて下さい!
また、難しいアルゴリズミックデザインを可能にするために重要と言える構造設計は、アラップ(Cecil Balmond / Ove Arup & Partners)が手掛けています。
アルゴリズムは?
この建築は、まず設定された三次元グリッドの内部に、複数の立体形態を指定します。そしてそれらの形態を滑らかなカテナイド曲面として生成します。
その成果品を配置、動線、光環境などに配慮、検証し、またこれまでの過程を繰り返す。
それが終わったら、最後に構造最適化プログラムを適用したそうです。
カテナイドとは?
カテナリー曲線(懸垂線)を回転させてできる極小平面のことです。
このように、内部と外部がインタラクティブな設計は、想像が難しいため、コンピューターが最大限に活用されています。
コンセプト
従来の「シンボリックな建築」を消すことです。
今回は、その外観もさることながら、一つの内皮を決めることが周囲の外皮を決めることにつながる、というプログラムが、従来の建築ではないと感じさせますね。
デザインのプロセス
まず配置を決め、その後に先程のアルゴリズムの過程を経ています。
このようにアルゴリズムによって造形を決定する手立てはたくさん存在しているのだなと思いました。
機能について
大小ホール、ギャラリー、劇場、会議場にオフィス、そしてレストランまで。とても大きな規模の複合施設ですね。
外観
スパっと切られたかのようなファサードです。
伊東豊雄氏の、終わらない内部としてのファサードという言葉をどこかの本で読み、まさにそれが体現された建築だと思いました。
内観
外観同様、中も当然局面で構成されていて、洞窟のようになっています。
設備などがチューブ状のコアにまとめられているあたり、せんだいメディアテークを想起させますね。
計画のはなし
環境・敷地計画
屋上庭園です。各コアが屋上の床を貫いています。その周りの緑化は、私は少し投げやりな気がしてしまって好きではありませんでした。
しかし、平面図を見た瞬間、あー、とため息が出てしまいました。とても訪れてみたいと思いました。コロナが終わったらぜひ行ってみたいです。
平面・配置プラン
これが平面図だなんてだれも思いません!
参考サイトにも、どこかの集落のようと書かれていました。
断面プラン
こちらは模型の写真になります。
「プラグ」床と呼ばれるこの床は、とてもスタディに苦労したそうです。
壁と床は、仕上げの違いで表現されているそうです。なるほど、、、!
構造プラン
セシル・バルモンド氏と共同で進める構造は、鉄筋コンクリート造になっています。
しかし、単純に、型枠を作ったコンクリートで作ったのか、と思いましたが、それとはまたひと味違うのです。
コンペの段階でスチールのプレートをレーザーでカットして、それを放射状に並べ、外側と内側にメッシュを張り、配筋して吹き付けコンクリートを打つという構造計画を提案しました。その方が型枠をつくつて現場打ちのコンクリートにするよりは楽なのです。中間に設備の配管やダクトを通していく計画です。ファサードには「まつもと市民芸術館」でも採用したGRCを二枚組み合わせてガラスを嵌めたものと同じような壁を張る提案をしました。
引用:伊東豊雄 - もののもつ力「台中メトロポリタン・オペラハウス」:私の建築手法 (tozai-as.or.jp)
図面は?
図面はないですが、詳しい空調などの設備について書かれているサイトがあるので、こちらも併せて見てみて下さい!
おすすめのサイト↓
念願の訪問!台中メトロポリタンオペラハウス – オガタくんの世界建築めぐり旅 (sho-world-archi.com)
図面が載っているサイトは、ご存じかもしれませんが、「私の設計手法」というサイトです。こちらもとてもおすすめです。非常に勉強になりました。
伊東豊雄 - もののもつ力「台中メトロポリタン・オペラハウス」:私の建築手法 (tozai-as.or.jp)
最後に
このブログでは、「一日一建築」と称し、毎日、主に隈研吾氏の建築を紹介していましたが、ほかの方の建築も紹介しています。よかったらご一読ください。↓
Pioneer Of Attractive Archi – より深く名建築について知ることができるサイト。 (attractive-archi.tech)
昨日紹介した建築はコチラ!
参考書籍の紹介
今日から紹介する、アルゴリズミック・デザインの建築の設計プロセスが載っている本で、伊東豊雄氏の建築なども載っています。おすすめなのでぜひこの書籍をどうぞ読んでみて下さい。
下の書籍は、上の書籍を読んだ後に読むべき実践編の書籍です。Processingというプログラミング言語を使ったデザインの実践に関する書籍です。
その一方で、この書籍はProcessingよりも新しくできた、Rhino+Grasshopperというソフトを使ったアルゴリズミック・デザインをする初心者向けの書籍となっています。とてもお世話になっている、おすすめの本です!
参照サイト等
・アルゴリズミック・デザイン 編:日本建築学会
・台中メトロポリタン・オペラ ハウスのもたらしたもの <池田靖史氏>|Magazine(マガジン)|建築 × コンピュテーションのポータルサイト Archi Future Web (archifuture-web.jp)
・念願の訪問!台中メトロポリタンオペラハウス – オガタくんの世界建築めぐり旅 (sho-world-archi.com)
・伊東豊雄 - もののもつ力「台中メトロポリタン・オペラハウス」:私の建築手法 (tozai-as.or.jp)
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