【ぐりんぐりん】まさに建築家の夢。伊東豊雄氏のシェル構造を使ったランドスケープ建築。
概要
こんばんは!「一日一建築」と称して毎日自分の好きな建築について発信しています著者のちぇりーです!
このサイトの特徴として、建築学生が建築という観点から評価するというところで、ボリュームは少し多めですが、その分、建築についてより深く学べると思うのでぜひ見てみて下さい!
さて、今日の建築は、「ぐりんぐりん」です。この建築は、伊東豊雄氏設計で、ぐりんぐりん、という言葉の通り捻った三つのシェル構造が特徴です。
本当に私もとても興味を持った建築で、曲線を使った設計をしたので、参考に今度訪れたいと思っています。その時はまた更新します!
行ってみるには?
見どころ
この曲線です。
いかにも設計も施工も難しそうですね。
従来の建築は、建築と緑の共存の仕方が、屋上緑化や自然再生エネルギーの活用など、表層的なものに過ぎませんでしたが、伊東豊雄氏の建築はそれに警鐘を鳴らし、21世紀の新しい建築を提唱しています。彼の設計した建築は、自然界の原理に則した合理的な形態です。彼は、人間も自然由来の生物であり、最終的には誰もが自然へと帰るからこそ、近代建築のあり方を見直しているのです。
所在地
アクセス
住所:〒813-0017
福岡市東区香椎照葉四丁目バスでお越しの方:天神・博多より25-30分程度。
「アイランドシティ中央公園前」バス停下車お車でお越しの方:福岡高速6号線(アイランドシティ線)「アイランドシティランプ」下車
「アイランドシティ中央」信号右折「総合体育館」信号右折電車でお越しの方:西鉄貝塚線「香椎花園前駅」より徒歩25分
ご利用案内
- 施設利用料大人(15歳以上): 100円小人(小学生以上): 50円未就学児 : 無 料
- 開 館 時 間9:00 〜 19:00( 4月〜9月)
9:00 〜 18:00(10月〜3月) - 休 館 日毎週火曜日(祝日の場合は翌日)
- 休 園 日12月29日〜1月3日
ご利用案内(営業時間、一般開放しているか、利用料金等)については、コロナ下において変更の可能性もありますので、ご自身でHPのほうをご覧ください。
もっと詳しく(独自の観点からの評価 )
建築家(構造設計)
伊東豊雄建築設計事務所の設計です。
彼の設計には、他にも、台中メトロポリタンオペラハウス、レ・アール国際設計競技案があります。
このときの構造設計は、佐々木睦朗氏です。
このときの構造の作り方を進化させ、その後の瞑想の森市営斎場や、多摩美術大学図書館、台湾大学社会学部棟につながっています。
コンセプト
建築と緑の共生だと思います。
デザインのプロセス
機能的提案
この建築は、亜熱帯植物の展示や、熱帯魚の展示がメインの体験施設となっていて、ほかにも会議室やワークショップスペースがあります。
外観
内観
中の植物のため、このシェル構造には大きな孔が開いています。
この建築の構成材料
注目のシェル構造はRCとなっていて、その厚さは400㎜となっています。
この曲面は、力学的に最も合理的な形状で最終決定されたそうです。やはり最も合理的な形状とは、有機的な形になるのですが、そのようなやり方は、トポロジー最適化と呼ばれています。自分も建築をこのようなやり方を使って形状を決定していくことに興味があります。ぜひ興味がある方は挑戦してみましょう~!
内部には軽量のセメント系発泡断熱材を厚さ20㎜で吹き付けていますが、その上からリシンを吹き付けて仕上げています。
リシン吹付とは?
モルタル仕上げの種類の一つで、少し独特なザラザラ感があります。とても参考になったサイトがあるので紹介します。ここでは、どのような見た目なのかがわかります。
リシン吹き付けとは?メリット・デメリットや他の仕上げとの違いを解説│ヌリカエ (nuri-kae.jp)
建築家界での評価は?
計画のはなし
環境・敷地計画
この「アイランドシティ」は、福岡県にある博多湾に面した人口島です。現在もタワーマンションの建設が続いているそうです。ここにある、「アイランドシティ中央公園」はアイランドシティ全体の災害拠点として、2005年に開園しました。
その中でも、この建築は、全くといっていいほど消されていますね。伊東豊雄氏の建築を消そうとしているところがわかります。
引用:伊東豊雄氏設計、曲面シェル構造の【ぐりんぐりん】を徹底レポート!!福岡県福岡市 (jpn-architecture.com)
周囲の均質で整然とした人工島とは異なり、有機的で不均質な建築が、公園のランドスケープと連続した空間を生み出しています。
周囲に溶け込んでいる様子が分かります。
この写真は、もうCGと見分けがつきません。
平面・配置プラン
建物は「北ブロック」、「中央ブロック」、「南ブロック」の3つに分かれており、北ブロックは誰でも入れるフリースペース、中央ブロックは亜熱帯植物を飼育し展示する施設、南ブロックは熱帯魚の展示のほか会議室やワークショップスペースがあります。
設備についてのプラン
壁伝いに室内の熱気を頂点の孔から排熱しています。また、天井からドライミストがでて、室内を冷却しています。また、休憩スペースにはテーブルと一体になったパーソナルファンコイル空調機なるものが設けられているようです。
緑化は空調への負荷も低減するそうです。本当に機能とデザインを兼ね備えていますね。
構造プラン
注目のシェル構造はRCです。そのほかにも、この細い柱に注目してほしいです。伊東豊雄氏の建築を消すという主張が明らかになります。
図面は?
最後に
このブログでは、「一日一建築」と称し、毎日、主に隈研吾氏の建築を紹介していましたが、ほかの方の建築も紹介しています。よかったらご一読ください。↓
Pioneer Of Attractive Archi – より深く名建築について知ることができるサイト。 (attractive-archi.tech)
昨日紹介した建築はコチラ!
いつも参考にしている書籍の紹介が最後にあります。さらに建築を学びたい、という方は、もしよかったら見ていってください!
参照サイト等
・隈研吾建築図鑑 画・文:宮沢洋
・体験学習施設ぐりんぐりん | アイランドシティ中央公園 (ic-centralpark.jp)
・伊東豊雄氏設計、曲面シェル構造の【ぐりんぐりん】を徹底レポート!!福岡県福岡市 (jpn-architecture.com)
・リシン吹き付けとは?メリット・デメリットや他の仕上げとの違いを解説│ヌリカエ (nuri-kae.jp)
・中が外に-自由曲面RCシェル構造 | 竹中工務店 (takenaka.co.jp)
・https://www.10plus1.jp/monthly/2016/05/sasaki05-2.php
参考にしている書籍の紹介
私がいつも参考にさせていただいている書籍は、「隈研吾建築図鑑」という名前で、著者の方は宮沢洋さんです。日経の出している本なので内容は安心かつ、すべてイラストで構成されているため、とても読みやすいです。
狭く深くというより、隈研吾さんの事務所の設計した建築について広く浅く学ぶことができます。初学者の方から、隈研吾さんの建築をいくつかしか知らないという方に本当におすすめなので、ぜひご一読ください。
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今日のプチコラム
この建築は機能の面においてもとても優れていて、自分も、「使うひとについても考えられた」このような建築を設計できたらな、と思いました。
私のこれまでのブログで参考にしていた隈研吾建築図鑑以外にもとても役に立った書籍がありますので紹介します。
もしよければご一読ください。
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皆さん、明日も頑張りましょう!
公式サイトも併せてチェック!
体験学習施設ぐりんぐりん | アイランドシティ中央公園 (ic-centralpark.jp)
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