【公立はこだて未来大学】山本理顕の代表作。使う人とともに作り上げた透明感あふれる教育機関

概要

さて、本日紹介する建築は公立はこだて未来大学です。一つ前に紹介した横須賀美術館とともに、山本理顕さんの代表作の一つとされています。
開放的な学校となっているところに注目です!早速見ていきましょう!

ここで少しだけ自己紹介をさせてください。「一日一建築」と称して毎日自分の好きな建築について発信しています著者のちぇりーです!
このサイトの特徴として、建築学生が建築計画という観点から評価するというところで、ボリュームは少し多めですが、その分、建築についてより深く学べると思うのでぜひ見てみて下さい!

見どころ

大きな吹き抜けと階段状のスタジオが、正面の大きなガラスカーテンウォールに面しているところが見どころです。上の模型で見ると開かれたワンルームにほとんどの諸室が収められていることが明らかですね。
従来の学校は、じっくり集中するため閉じられた環境が作られることが多かったですが、この建物では真反対で、開放的な空間となっています!
その背景には、作る人だけではなく、30代の若い「つかう人」まで計画に関わったということが挙げられます。

この「開放的」な空間を作るためのいくつもの工夫を見ていきましょう。

アクセス

函館駅からバスで45分ほどで、高台に登ったところにあります。

建築としての評価は?

建築家

今回の設計は、山本理顕さんです。以下のブログにて紹介もしていますので、ぜひ見てみて下さい。

【山本理顕】

概要 本日紹介するのは、山本理顕氏です。彼は、とても洗練されたデザインで有名でしょう。ハコ型も併せ、とても抽象的なものを建築にすることに長けています。 ここで少…

コンセプト

コンセプトは、「学びを開く」です。

この階段状になった空間は、「スタジオ」と呼ばれ、建築学生が勉強をする空間がメタファーとして使われています。
しかし、この学校はコンピュータの学部しかありません。どうして建築なのでしょうか。それは、山本理顕さんが使う人の意見から取り入れた、「教育」への考え方から来ています。
コンピュータに向き合うことが多い学部だからこそ、人とのコミュニケーションを大事にする、という考えがあるらしいです。
実際、このワンルームの空間だからこそ、オープンスペースには友達同士でテーブルを取り囲んでいる様子や、雛壇越しに「おはよう」とコミュニケーションを取っている様子が見えるそうです。

機能について

このように、先程の写真にあった大空間にほとんどの諸室が収められていることがわかります。

外観

目の前に広がる函館山を映し出すカーテンウォールは、外観から見て美しいだけでなく、その目地をできる限り細くすることで、透明感がありますね。

屋内外が混ざり合うこの場所は、「モール」と呼ばれる空間です。この空間がこの建物の端から端まで貫いていて開放的な空間を作り出し奥行きを感じさせます。

内観

山本理顕さんの建築にはよくあることなのですが、一見とても機能主義的に見えて、実はそこに使う人の意見を取り入れた柔らかい部分や、もちろんその地域や建築特有の要素が取り入れられています。
例えばここで、ガラス張りで透明感の高い建築が作られているのは、使う人が学びをもっと開きたい、という意見から来ていて、さらに正面のガラスカーテンウォールとトップライトは、函館という寒い気候であることから多く光を取り入れようとする工夫です。このように、よい建築家は、一つの操作で多くの利点を生み出していますね!

また、スタジオから通路を通って奥へと入ると、教室があります。ここでは、ガラス張りにすることで、中の授業でやっていることが気になったらどんどん参加していい、という考えの基作られました。学校側の考えも素敵だと思います。どこにいても人の活動が垣間見える空間ですね。

構造計画

今回の構造計画は、木村俊彦さんです。
柱間を12.6mものスパンで飛ばすことに成功していて、そのために、一辺950㎜ある柱が全く太く見えませんね。
また、この上に見えている梁にもこだわりがあり、より奥行きや一体感を感じさせます。このように、構造を見えるようにしているところも山本理顕さんらしいですね。

最後に

このブログでは、「一日一建築」と称し、毎日いろいろな建築家の方の建築を紹介しています。よかったらご一読ください。↓
Pioneer Of Attractive Archi – より深く名建築について知ることができるサイト。 (attractive-archi.tech)

昨日紹介した建築はコチラ!

【ミース・ファンデル・ローエ】近代建築の三大巨匠の一人を追う。

概要 こんばんは!「一日一建築家」と称して毎日自分の好きな建築家について発信しています著者のちぇりーです!このサイトの特徴として、建築学生が建築計画という観点か…

参照サイト等

・書籍「建築をつくることは未来をつくることである」山本理顕、北山恒、飯田善彦、西沢立衛著
けんちく目線で見てみよう!「公立はこだて未来大学」|haconiwa|「世の中のクリエイティブを見つける、届ける」WEBマガジン (haconiwa-mag.com)
【建築レポ】公立はこだて未来大学を見学してきました | Daily Scenery (daily-scenery.com)
公立はこだて未来大学【設計山本理顕】函館にある情報系大学の建築をご紹介します! | 建築LIFE (takearch1894.com)

【公立はこだて未来大学】山本理顕の代表作。使う人とともに作り上げた透明感あふれる教育機関” に対して1件のコメントがあります。

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