【神奈川工科大学 KAIT工房】石上純也氏の創る「白い」林。

出典:KAIT工房|神奈川工科大学

概要

こんばんは!「一日一建築」と称して毎日自分の好きな建築について発信しています著者のちぇりーです!
このサイトの特徴として、建築学生が建築計画という観点から評価するというところで、ボリュームは少し多めですが、その分、建築についてより深く学べると思うのでぜひ見てみて下さい!近日紹介している建築については、今とても注目を集めるパラメトリックデザインを用いて設計されたものを紹介していますので、ぜひ見てみて下さい!

さて、今日の建築は、「神奈川工科大学 KAIT工房」です。この建築は、石上純也氏の設計で、神奈川厚木市にあり、2008年に竣工しました。

行ってみるには?

見どころ

林立するこの細い柱です。これがプログラミングによって設計されています。

所在地

アクセス

出典:交通アクセス|神奈川工科大学 (kait.jp)

本厚木駅までの電車の案内です。

駅からはバスが出ていて、300円で行けるそうです。詳しくは、公式サイトからご覧ください。↓
交通アクセス|神奈川工科大学 (kait.jp)

ご利用案内(営業時間、一般開放しているか、利用料金等)については、コロナ下において変更の可能性もありますので、ご自身でHPのほうをご覧ください。

もっと詳しく(独自の観点からの評価 )

建築家(構造設計)

出典:世界が注目する建築プロジェクト 今夏完成!建築家・石上純也設計の洞窟のようなレストランHouse & Restaurant『maison owl』山口県宇部市に2021年夏開業|株式会社温故知新のプレスリリース (atpress.ne.jp)

今回の設計は、石上純也氏です。

彼は、東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修士課程修了後、妹島和世建築設計事務所を経て2004年石上純也建築設計事務所を設立しています。

2018年パリ カルティエ財団現代美術館でJunya Ishigami Freeing Architecture 自由な建築展。2009年日本建築学会賞(作品)、2010年ヴェネチア・ビエンナーレ第12回国際建築展金獅子賞、2010年毎日デザイン賞、2019年Obel Awardなど、多数受賞しています。

彼の代表作としては、この建築もその一つとして挙げられますが、ほかにも、ボタニカルガーデンアートビオトープ 水庭、maison owl、2019年サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン、などがあります。後者はこのブログでも紹介したのでぜひ見てみて下さい!

【時の重み】世界が注目する石上純也の洞窟レストラン、「maison owl」が山口県にオープン!(動画アリ)

概要 今日紹介するのは、「サーペンタインギャラリー・パビリオン」の公開が始まり、話題を呼んでいる石上純也氏の建築。彼は、国内でも注目のプロジェクトをいくつも同時…

山口県にあるレストランで、地下に埋もれた建築となっています。動画付きで紹介しています。
出典:【時の重み】世界が注目する石上純也の洞窟レストラン、「maison owl」が山口県にオープン!(動画アリ) - Pioneer Of Attractive Archi (attractive-archi.tech)

下写真は、サーペンタインギャラリー・パビリオンです。

出典:自然と融合する石上純也の建築。次なるは洞窟のようなレストラン - Premium Japan (premium-j.jp)

また、難しいアルゴリズミックデザインを可能にするために重要と言える構造設計は、小西泰孝建築構造設計が手掛けています。

アルゴリズムは?

この、305本のフラットバー柱の林立する位置や配列をプログラムによって決めています。結果として、一見矛盾する恣意性と偶然性と合理性を兼ね備えた建築を作ることのできる可能性を示しています。

具体的には、多数の細い柱のランダム配置やその断面形状、角度を決めます。それとともに、構造上の合理性と設計意思とを満たすことを目標としています。

このプログラムでは、何を示せば設計者の意図に沿う判断ができるか、を検討しつつ行われています。

コンセプト

創作のための白い森です。

極限まで建築を消すことで、キャンパスとの境界をなくし、つながっているかの様です。そのため、学生はいつでも訪れやすくなっています。

デザインのプロセス

大きな柱やスラブ、といった従来「建築」であったものをなくし、細かい柱や薄い屋根を使うことで、建築を消していますね。

もはや柱がない建築である、KAIT広場も同じ敷地内にありますので、ぜひそれも併せて訪れて下さいね。

出典:石上純也設計 柱のないKAIT広場と柱だらけのKAIT工房を見学してきた! | 建築とアートを巡る (artarchi-japan.art)

KAIT広場の写真です。空が切り取られています。ぜひ今度行ってみます。

機能について

ものづくりの夢を実現させることを目標としていて、この工房では、金属加工、陶芸、鋳造、木工加工、3Dプリンター、レーザー加工、モデリング加工、七宝、サンドブラスト、印刷など自由に制作することができます。
自分の大学にもこんな場所があったらな、と本当に思います。

外観

出典:石上純也設計 柱のないKAIT広場と柱だらけのKAIT工房を見学してきた! | 建築とアートを巡る (artarchi-japan.art)

また、そのコンセプトから来ているのか、ガラスには周囲の緑が写っていて、さらに森を感じますね。

内観

出典:石上純也設計 柱のないKAIT広場と柱だらけのKAIT工房を見学してきた! | 建築とアートを巡る (artarchi-japan.art)

305本の柱によって緩やかに仕切られていながら、つながっています。
また、恣意性までもを感じさせるこの柱は、リズムを創り出しています!

計画のはなし

環境・敷地計画

中はたくさん植栽が使われているため、全面ガラス張りであるにも関わらず無機質な感じは全くしません。

断面プラン

元は高さ3000㎜で設計されていましたが、開放感を意識し、実際は5000㎜で施工されることとなりました。

構造プラン

この建築では305本の内263本は水平方向のみを担当しているという特殊な構造デザインとなっています。

引用:神奈川工科大学KAIT工房は建築というより創作の為の森だった【神奈川県厚木】 | トーキョー建築トリップ (yamakenlab.com)

また、この柱の断面形状と角度は全て異なっているそうです。施工者の努力が伺えますね、、!

最後に

このブログでは、「一日一建築」と称し、毎日、主に隈研吾氏の建築を紹介していましたが、ほかの方の建築も紹介しています。よかったらご一読ください。↓
Pioneer Of Attractive Archi – より深く名建築について知ることができるサイト。 (attractive-archi.tech)

昨日紹介した建築はコチラ!

【鴻巣市文化センター(クレアこうのす)】

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参考書籍の紹介

今日から紹介する、アルゴリズミック・デザインの建築の設計プロセスが載っている本で、伊東豊雄氏の建築なども載っています。おすすめなのでぜひこの書籍をどうぞ読んでみて下さい。
下の書籍は、上の書籍を読んだ後に読むべき実践編の書籍です。Processingというプログラミング言語を使ったデザインの実践に関する書籍です。

その一方で、この書籍はProcessingよりも新しくできた、Rhino+Grasshopperというソフトを使ったアルゴリズミック・デザインをする初心者向けの書籍となっています。とてもお世話になっている、おすすめの本です!

参照サイト等

・アルゴリズミック・デザイン 編:日本建築学会
交通アクセス|神奈川工科大学 (kait.jp)
KAIT工房|神奈川工科大学
神奈川工科大学KAIT工房は建築というより創作の為の森だった【神奈川県厚木】 | トーキョー建築トリップ (yamakenlab.com)
石上純也設計 柱のないKAIT広場と柱だらけのKAIT工房を見学してきた! | 建築とアートを巡る (artarchi-japan.art)
建築家の石上純也の建築作品3選。代表作の神奈川工科大学KAIT工房など | デザインマガジン (webdesignmagazine.net)

公式サイトも併せてチェック!

公式サイトはこちらです。
KAIT工房|神奈川工科大学

施設概要

名称:神奈川工科大学KAIT工房
設計:石上純也
所在地:神奈川県厚木市下荻野1030
最寄り駅:小田急線本厚木駅 バス約20分
竣工:2008年
(引用:神奈川工科大学KAIT工房は建築というより創作の為の森だった【神奈川県厚木】 | トーキョー建築トリップ (yamakenlab.com)

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