【MVRDV】都市計画のソフトまで作る、オランダのオールラウンダー。

出典:オランダ現代建築探訪 建築家集団MVRDVの「WoZoCo(オクラホマ)」 | KRÈVA (krevamokum.nl)

概要

こんばんは!「一日一建築」と称して毎日自分の好きな建築家について発信しています著者のちぇりーです!
このサイトの特徴として、建築学生が建築計画という観点から評価するというところで、ボリュームは少し多いですが、その分、建築についてより深く学べると思うのでぜひ見てみて下さい!紹介している建築や建築家の方については、今とても注目を集めるパラメトリックデザインに関するものを紹介していきます。また、この分野に興味を持つ方は、英語圏にもたくさんいらっしゃるということで、今後英語で発信を始めようと考えています!

さて、今日の建築家は、オランダのMVRDVです!

建築家(構造設計)

どんな人?

オランダに拠点を置く建築家集団で、MVRDVという名前は創設メンバーの頭文字、Winy Maas、Jacob van Rijs、Nathalie dVriesからネーミングしています。彼らは、レム・コールハースの影響をとても受けています。

建築思想、研究内容

建築や都市を構成する一切の条件を数値に置き換え、また建築を取り巻く条件すらも数値として可視化し、建築や都市の姿として構成を行うデータスケープという独自の方法論を生み出しました。

もともと、MVRDVでは、建築の自動生成ソフト(「Function Mixer」)や、都市計画の自動生成ソフト(「Region Maker」)などの様々なコンピュータ・プログラムを用いた設計手法を提案してきました。

参考図書では、MVRDVヤコブ・ファン・ライス氏が、そのようなデザインのツールにコンピュータを使い始めた理由をこのように話しています。

ソフトウェアなしではできないほどの正確さと速さで、その土地における空間的可能性を分析し、計画を試みようとしています。

参考書籍 10+1 No.48 特集 アルゴリズム的思想と建築 INAX出版 より

MVRDVは、プロジェクトを成立させる複雑な条件や内的要素やその関係性を速く処理することができるのです。

代表作

たくさん紹介したい建築があるので、ここでは短くその紹介をして、また別の記事で詳しく勉強していきたいと思います!

ブックマウンテン

出典:https://www.mvrdv.nl/projects/115/markthal

これは、私が一番好きな建築となっています。。。!本で天井まで埋め尽くしていて、機能が本棚の中にあったりするので、とても回遊するのが楽しいと思います。本棚に囲まれた図書館、こんなの憧れてしまいますよね、、!

GYRE(ジャイル)

出典:https://iskaa.net/architecture/mvrdvgyre/

最初に紹介するのは、彼らが日本に二つだけ建てた建築のうちの一つ、GYREです。これは、東京に住んでいる方は、表参道や新宿から徒歩3分ほどと、気軽に訪れることができると思うのでぜひ行ってみてください!

この建築のコンセプトは、ジャイル、が意味するところの「渦」です。
地上5階建ての各平面を回転しながら配置することでズレが生まれ、その空間が通路や軒下というように動線やテラスになり、回遊性を生み出します。

これは、渦が

回転しながら物事も集めていき、そしてこの場からあらゆる発信を行って行く

引用:https://iskaa.net/architecture/mvrdvgyre/

ことを期待して作られました。

ここで、4FにあるGIRE.FOODは建築家の田根剛氏が手がけています。また、通りに向かって左側には、Dior表参道があり、これはSANAAが手がけています。ぜひ立ち寄ってみてください。

出典:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66410

まつだい雪国農耕文化村センター農舞台

出典:https://iskaa.net/architecture/matsudai-no/

これがMVRDVが日本に建てたもう一つの建築です。新潟にあり、これはなんと、写真で二つ手前に見えている四つのアームのみで立っています!他にも、少し見えていますが、彼ららしい鮮やかな色使いのガラスが特徴です。

オクラホマ

出典:オランダ現代建築探訪 建築家集団MVRDVの「WoZoCo(オクラホマ)」 | KRÈVA (krevamokum.nl)

こちらが建築の代表作の一つ、集合住宅オクラホマです。
この住宅は、高齢になり、建築にアイデンティを持つことに誇りがあるお年寄りに大変喜ばれました。しかし、このキャンチレバー(張り出し)は、日本では絶対に認められないでしょう、、、

Tianjin Binhai Library(天津浜海図書館)

出典:https://webdesignmagazine.net/mvrdv/

MARKET HALL(マーケット・ホール)

出典:https://www.mvrdv.nl/projects/115/markthal

バーコード・プロジェクト

こちらは、建築に携わっている方でも、聞いたことがないかもしれません。これは、MVRDVが上に述べた「データスケープ」を実際に用いて都市計画がなされているプロジェクトの一つを紹介します。

まず、これは、オスロの都市開発のことで、このプロジェクトは国際コンペで勝ち抜いたオランダのa-labとMVRDV、そして地元オスロのDark Architectsによる提案となっています。

では、具体的にどのような政策をとったのか?次の写真を見てください。

出典:https://4travel.jp/travelogue/11111437

計画案は、都市そして建築の多様性を表現することで、なおかつ歩行者にも優しい空間を提供することであった。そのために、建物がそれぞれ個性を有し、建設材料や高さ、幅なども異なり、その建物の空間には「バーコード」とよばれる隙間の空間を設置できるようにした。

https://urban-diary.blog.ss-blog.jp/2017-08-29

彼らは、従来の方法とは異なり、建築と建築のスキマ空間に着目したのですね。
さらに具体的にいうと、ここに建てられる建築の敷地の50%を緑地空間として提供することを義務付けたそうです。面白いですね。しかし、現実はそうはいかず、ここに建物を設計した人は、この計画はもう使われないだろうとのことでした。残念ですね。

最後に

このブログでは、「一日一建築」と称し、毎日、主に隈研吾氏の建築を紹介していましたが、ほかの方の建築も紹介しています。よかったらご一読ください。↓
Pioneer Of Attractive Archi – より深く名建築について知ることができるサイト。 (attractive-archi.tech)

昨日紹介した建築家はコチラ!

【藤本壮介】Tokyo Apartmentをめぐる秩序、とは?彼にとっての設計を探る。

概要 こんばんは!「一日一建築」と称して毎日自分の好きな建築家について発信しています著者のちぇりーです!このサイトの特徴として、建築学生が建築計画という観点から…

いつも参考にしている書籍の紹介が最後にあります。さらに建築を学びたい、という方は、もしよかったら見ていってください!

参照サイト等

・10+1 No.48 特集 アルゴリズム的思想と建築 INAX出版
・https://urban-diary.blog.ss-blog.jp/2017-08-29
・https://4travel.jp/travelogue/11111437
・https://architecturehack.com/mvrdv%E3%81%AE%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%81%8C%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%83%AD%E3%81%AB%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%97%E3%81%9F%E9%87%91/
・https://iskaa.net/architecture/mvrdvgyre/
・https://iskaa.net/architecture/matsudai-no/
・https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66410

参考にしている書籍の紹介

今回の参考書籍は、10+1 No.48 特集 アルゴリズム的思想と建築 INAX出版です。

また、以前紹介していたアルゴリズミック・デザインという書籍は、たくさんの建築の、どうやってできたかの部分が載っている本で、伊東豊雄氏の建築なども載っています。おすすめなのでぜひこの書籍をどうぞ読んでみて下さい。ここまで、本当にどのようなプログラムで作られてこの建築ができたか、という具体的な過程の部分を書いている書籍はなかなかないと思います。少し難しくはなりますが、ぜひお手に取ってみて下さい!
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アルゴリズムによって設計された建築ではないですが、私がいつも参考にさせていただいている書籍は、「隈研吾建築図鑑」という名前で、著者の方は宮沢洋さんです。日経の出している本なので内容は安心かつ、すべてイラストで構成されているため、とても読みやすいです。
狭く深くというより、隈研吾さんの事務所の設計した建築について広く浅く学ぶことができます。初学者の方から、隈研吾さんの建築をいくつかしか知らないという方に本当におすすめなので、ぜひご一読ください。隈研吾建築図鑑です。

隈研吾建築図鑑です。

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今日のプチコラム

今回の参考書籍の隈研吾建築図鑑以外にもとても役に立った書籍がありますので紹介します。
もしよければご一読ください。「場所原論」 著:隈研吾

「場所原論」 著:隈研吾

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皆さん、明日も頑張りましょう!

公式サイトも併せてチェック!

施設概要

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