【トゥーゲンハット邸】

概要
こんばんは!「一日一建築」と称して毎日自分の好きな建築について発信しています著者のちぇりーです!
このサイトの特徴として、建築学生が建築計画という観点から評価するというところで、ボリュームは少し多めですが、その分、建築についてより深く学べると思うのでぜひ見てみて下さい!
さて、本日紹介する建築はトゥーゲンハット邸です。
この建築はミース・ファンデル・ローエの設計で、彼の設計の原点となっています。
また、ユネスコ世界遺産に登録されていて、国際的に重要な会議にも使われました。
見どころ
傾斜地を用いて、建物をどのように低層に見せるかということと、最小限までシンプルな形であり、かつ豊かな空間を創出すること
この建築の構成要素は、鉄骨柱、鉄筋コンクリートスラブ、組積造の壁となっています。
場所

かなりの傾斜地に建っていることがわかりますね。
この建築がある場所はチェコのブルノですが、戦時中ドイツやロシアに占領され、その期間に大いに荒らされてしまいました。
2010年から2012年にかけての大規模改修によって2013年から一般公開されています。
ちなみに、施主のフリッツ・トゥーゲンハットとその妻のグレテです。が、奥さんが大変裕福なユダヤの家系だったためこの広大な土地が得られましたがその一方でナチスドイツから逃れるため小規模住宅の100倍の予算をかけたにもかかわらずわずか8年しかこの建築を使うことはなかったと言います。
とても残念ですね。
建築としての評価は?
建築家
今回の設計は、ミース・ファンデル・ローエです。
Less is moreというように、モダニズム建築家のなかでもミニマリズムな考えを示しています。
他のブログで彼について詳しく紹介しているのでこちらの記事もぜひ見ていってください。
コンセプト

最小限の材料と形で豊かな空間を創り出すこと。
写真ではしまめのうの壁を取り上げてみました。
機能について
とても大きな住宅です。
自動車のガレージはもちろん、運転手や乳母さんの部屋まで作られた大規模なもので、住宅以外に学校のような使い方さえされたことがあるそうです。
外観

とても低層に見せる工夫が垣間見えます。
また、エントランスへの動線が面白く、プライバシーを確保しながら、よい景色を見ながら毎日家に帰ることができるものになっています。

このような工夫一つから、最小限の形から豊かな空間をつくりだそうというLess is moreという思想が見えてきますね。
内観

材料とシンプルな形へのこだわりが見えますね。
右のクローゼットはすごく高い樹木を貼っています。
この建物において彼は全く妥協をしないで、これを通さないなら設計を辞める、と言ったそうです。そのため、前回紹介したバルセロナパビリオンをそのまま住宅にした作品、などと言われています。
しかしここで考えなくてはならないのは、決して彼の思想Less is moreだけにこだわっているわけではなく、その思想を守りながらもしっかりと住む人のことを一番に考えた作品となっていることです。
例えば上写真の階段は、外から見るとエントランス動線の丸い引き込みとなっているのです。これにはしびれました。
最後に
このブログでは、「一日一建築」と称し、毎日、主に隈研吾氏の建築を紹介していましたが、ほかの方の建築も紹介しています。よかったらご一読ください。↓
Pioneer Of Attractive Archi – より深く名建築について知ることができるサイト。 (attractive-archi.tech)
昨日紹介した建築はコチラ!
参照サイト等
1,ミース・ファン・デル・ローエとトゥーゲントハット邸 – ADFウェブマガジン|ADF Web Magazine – 建築×アート×デザインのメディア情報ニュース
2,近代建築の巨匠がこだわりを貫いた チェコに立つ邸宅は必見の世界遺産 | 気になる世界の街角から (bunshun.jp)
3,Stoffel on Design: Villa Tugendhat Restoration (stoffeldesign.blogspot.com)
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