【つくばエクスプレス 柏の葉キャンパス駅】
概要
こんばんは!「一日一建築」と称して毎日自分の好きな建築について発信しています著者のちぇりーです!
このサイトの特徴として、建築学生が建築計画という観点から評価するというところで、ボリュームは少し多めですが、その分、建築についてより深く学べると思うのでぜひ見てみて下さい!紹介している建築については、今とても注目を集めるパラメトリックデザインを用いて設計されたものを紹介していますので、ぜひ見てみて下さい!
また、この分野に興味を持つ方は、英語圏にもたくさんいらっしゃるということで、今後英語で発信を始めようと考えています!
さて、今日の建築は、「つくばエクスプレス 柏の葉キャンパス駅」です。設計は、またもや渡辺誠氏です!さすがですね。。!
また、なんとこの近くには、クラインダイサムが手掛けた柏の葉 T-SITEや、成瀬・猪熊建築設計事務所の手がけたKOILがあります。
行ってみるには?
見どころ
見たことのないこのファサードです。
所在地
アクセス
新線の新駅、としてできたつくばエクスプレスの駅となります。公式サイトはこちらです。構内の地図もあります。
柏の葉キャンパス駅 | 駅情報・路線図 | つくばエクスプレス(TSUKUBA EXPRESS) (mir.co.jp)
ご利用案内(営業時間、一般開放しているか、利用料金等)については、コロナ下において変更の可能性もありますので、ご自身でHPのほうをご覧ください。
建築としての評価は?
建築家(構造設計)
今回の設計は、渡辺誠氏です。
渡辺氏は、パラメトリックデザインの先駆者として知られていて、横浜国立大学を卒業後、磯崎新アトリエで経て独立し、渡辺誠/アーキテクツオフィスを設立。東京都市大学で教授を務めています。
彼の代表作には、青山製図専門学校1号館や、東京住宅があります。
その他は、本駅と隣り合う「柏たなか」駅、九州新幹線「新水俣駅」、「大江戸線水道橋駅」など、駅舎の設計をしています。
また、難しいアルゴリズミックデザインを可能にするために重要と言える構造設計は、○○が手掛けています。
アルゴリズムは?
参考書籍に書いてあることがとても面白かったのでここで紹介させていただきます。
結論から申し上げますと、この建築は、完全にアルゴリズムによって生成されています。
そのために、まず設計者は何を考えたのかというと、ランダム生成です。それは、バリエーションを出すことのみをパソコンに任せることでした。
しかし、渡辺誠氏はそうではない、と思いました。
そこで、プログラムが「いいもの」を生むようにしようとすると、いいものとは何かを言葉で記す必要が出てくる。プログラムはコトバであり、ことばにならないものはプログラムにならないからだ。しかし、あらかじめいいものとは何か記述できるくらいなら、プログラムなんてなくてもそれをつくれる、、、
アルゴリズミック・デザイン 編:日本建築学会
この堂々巡りから脱出するには、「いいもの」とは何かを書こうとすることはやめて、何がいいかをあらかじめ記述することはできない、という前提を受け入れるしかない。
決められなくても、選ぶことができる。そこからはじまるプログラム。
この本はこちら。日本建築学会編集のアルゴリズミック・デザインといわれる本です。
この話を聞いて、自分は、今までの、アルゴリズムによっての生成から、設計者が選択する、という方法はもうアルゴリズムデザインではないのではないか、とまで思ってしまいました。そうではなく、生成、評価、そして進化までしてこそパラメトリックデザインなのかな、と。そういう研究が今後進んでいくことを期待しています。
コンセプト
駅名ともなっているように「柏の葉」、「キャンパス」という2つのヒントを手がかりに「自然」と「科学」という2面性をAIによって、それぞれの立面に表現することを目標としました。プログラム化にはさらに「乱流」と「層流」というキーワードにより深化された形態が出力されました。
引用:渡辺誠設計「つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅」乱流と層流-アルゴリズムが造り出す駅の表層 (iskaa.net)
デザインのプロセス
柏の葉キャンパス駅は、そもそも建築ではなく、ホームを覆う外殻の設計だということで、ファサードのみの設計となりました。
機能について
駅のファサードです。
内観
ホーム側から見たパネルです。パネルは部分的に現しとなっています。
現しとは?
現し (あらわし) ふつうは 仕上げ 材によって 隠蔽 してしまう 構造 部分を、 露出 させる仕上げを現しとか、現し仕上げという。
開口部(窓)は採光や排煙として機能します。
この建築の構成材料
プレキャストコンクリート(PC)です。
計画のはなし
環境・敷地計画
ららぽーとと対峙していますが、そのおかげでさらにその曲線が強調されますね。
最後に
このブログでは、「一日一建築」と称し、毎日、主に隈研吾氏の建築を紹介していましたが、ほかの方の建築も紹介しています。よかったらご一読ください。↓
Pioneer Of Attractive Archi – より深く名建築について知ることができるサイト。 (attractive-archi.tech)
昨日紹介した建築はコチラ!
参考書籍の紹介
今日から紹介する、アルゴリズミック・デザインの建築の設計プロセスが載っている本で、伊東豊雄氏の建築なども載っています。おすすめなのでぜひこの書籍をどうぞ読んでみて下さい。
下の書籍は、上の書籍を読んだ後に読むべき実践編の書籍です。Processingというプログラミング言語を使ったデザインの実践に関する書籍です。
その一方で、この書籍はProcessingよりも新しくできた、Rhino+Grasshopperというソフトを使ったアルゴリズミック・デザインをする初心者向けの書籍となっています。とてもお世話になっている、おすすめの本です!
参照サイト等
・アルゴリズミック・デザイン 編:日本建築学会
・渡辺誠設計「つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅」乱流と層流-アルゴリズムが造り出す駅の表層 (iskaa.net)
・柏の葉キャンパス駅 | 駅情報・路線図 | つくばエクスプレス(TSUKUBA EXPRESS) (mir.co.jp)
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