【レイクショアドライブアパートメント】

概要

こんばんは!「一日一建築」と称して毎日自分の好きな建築について発信しています著者のちぇりーです!
このサイトの特徴として、建築学生が建築計画という観点から評価するというところで、ボリュームは少し多めですが、その分、建築についてより深く学べると思うのでぜひ見てみて下さい!

さて、本日紹介する建築はレイクショアドライブアパートメントです。設計はミース・ファンデル・ローエ氏で、彼の初めての高層ビルでした。

この建築は、今となっては普通のように見えますが、当時、1950年代は石造りで重々しい装飾過多な建築が良しとされてきたので、この軽さと淡白さに人々は驚いたそうです。それでは、詳しく見ていきましょう!

また、この名称はレイクショアドライブという通り沿いに建っていることからきたそうです。そのままですね。笑

見どころ

この時代の他の建物と比べ、どのくらい彼が先を行っていたのか、というところです。この建物が建ったのは1951年という今から70年以上前のこと!そりゃ、こんな高層の集合住宅が二棟もどーん!と建ったらびっくりしますよね。上の写真が見上げた時の写真になります。
この時代はとにかく重く装飾的な建築をみな作りたがっていたので、柱を黒く塗ることで、シャープに見せさらにガラスで表面を覆ってしまったのです。近代技術の産物ですね。

また、この高層ビルのような見た目から、オフィスかと思う人もいらっしゃいますが、これはアパートメント、という名の通り、集合住宅ですので気をつけてください!この見た目ができたのも、建物の配置を見たらよくわかると思います。配置計画については、後に述べています。

またこの建物はアメリカのシカゴに位置しています。一級建築士試験にも出るそうなので、ぜひ覚えていってください!

建築としての評価は?

建築家

今回の設計は、ミース・ファンデル・ローエです。

彼については、こちらのブログでより詳しく解説しています。代表作のバルセロナパビリオンファンズワース邸についても紹介しているのでぜひご覧ください!

【ミース・ファンデル・ローエ】近代建築の三大巨匠の一人を追う。

概要 こんばんは!「一日一建築家」と称して毎日自分の好きな建築家について発信しています著者のちぇりーです!このサイトの特徴として、建築学生が建築計画という観点か…

コンセプト

ロビーを見ても、ミースのLess is moreという思想が色濃く反映されていることが分かります。
メインフレームとなる柱を黒く塗ってシャープな印象にしているのです。

私はこの建築について調べて初めて知ったのですが、このようにどの地域に建っても違和感のない建築の様式をインターナショナル・スタイルと呼び、建築士試験に出題されるそうですね。覚えておきましょう、、!

機能について

集合住宅です。

それにしてもこの柱は56センチしかないため地震が来た時に怖いということ、彼のトレードマークのトラバーチンの床を使っていてとても高価な仕上げとなっていることから、現在の日本で建てるには難しいと思います。

外観

浮いているような見た目になっています。この軽やかさは当時それはそれは驚いたでしょう。
グラウンドフロアとは離れているので、この地とつながっていないように思えますが、これは、このピロティ部分に地域の人々もはいりこんでこられるようになっています。

シンプルにこだわっていると思われがちですが、しっかりと外装には住民を飽きさせないための工夫が忘れられていません。

この写真では、メインフレームがしっかりと入っていて、そこに黒く塗ったアルミのマリオン、さらに無名(水平材)がはいり、やっとアルミサッシとなっています。このように変化をつけています。

内観

半屋外空間では、柱と梁のもつ庇によって湖のほうへと視線が誘導されます。これは面白いですね。さすが、シンプルな中に空間を豊かにさせる工夫を忘れません。

しかし、住民の方の声によると、この住宅を使うには愛が必要、とのことでやはり使いにくい面もないとはいえませんね。

計画について

出典:Lakeshore Drive Apartments - Larry Speck

上にも述べたように、湖に向けて開くような特徴的な配置をしていますね。下に載せた平面図を見て頂ければわかると思います。

以上の平面図の柱に囲まれている部分を見ると、同じ矩形の長方形が角度を90度振って配置されているのが分かりますね。
その間からの眺めが、上に載せた写真のように湖の方向を見渡せるようになっています。
また、平面図が書いてあるところが魅力的なロビーとなっています。以下がその写真です。

ディテール

このように、この建築をシャープに見せているマリオンは、構造とは無関係な装飾です。
これに関しては、Less is moreという装飾をどちらかというと嫌うような思想に反しているように感じますが、平坦すぎるファサードに動きをつけているのでしょう。

最後に

このブログでは、「一日一建築」と称し、毎日、主に隈研吾氏の建築を紹介していましたが、ほかの方の建築も紹介しています。よかったらご一読ください。↓
Pioneer Of Attractive Archi – より深く名建築について知ることができるサイト。 (attractive-archi.tech)

昨日紹介した建築はコチラ!

【ファンズワース邸】ミースの思想をまるごと住宅に。

概要 こんばんは!「一日一建築」と称して毎日自分の好きな建築について発信しています著者のちぇりーです!このサイトの特徴として、建築学生が建築計画という観点から評…

参照サイト等

レイク・ショア・ドライブ・アパートメント | ミース・ファン・デル・ローエとシカゴの建築を訪ねて(アメリカ・シカゴ)No.18 | Tabi/世界の建築 | お知らせ | デザイナーズマンション,株式会社リネア建築企画 (linea.co.jp)
レイクショアドライブ・アパートメント | 建築士受験のための建物事例 by いつなるサイト (kenchikusakuhin.com)
シカゴにミースの建築を見に行く (レイク・ショア・ドライブ・アパートメント)|kezama|note
Lakeshore Drive Apartments - Larry Speck
「アメリカ近代建築10選」:レイクショア・ドライブ・アパート | とんとん・にっき (ameblo.jp)

【レイクショアドライブアパートメント】” に対して3件のコメントがあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です