【新ナショナルギャラリー】

概要

こんばんは!「一日一建築」と称して毎日自分の好きな建築について発信しています著者のちぇりーです!
このサイトの特徴として、建築学生が建築計画という観点から評価するというところで、ボリュームは少し多めですが、その分、建築についてより深く学べると思うのでぜひ見てみて下さい!

さて、本日紹介する建築は新ナショナルギャラリーです。この建築は、ミースがアメリカへと移住した後唯一ヨーロッパに建てた建築となっています。
設計は、連日紹介しているように、ミース・ファンデル・ローエです!

この建築がドイツのベルリンに建ったのは1968年のことで、その後修復されたとのことです。

早速見ていきましょう!

見どころ

この透明感と、それを引き出すガラスの多さ、そして構造のシンプルさです。

また、ガラスのマリオンと天井の構造のフレームが一致しているなどのこだわりが見えます。これはLess is moreの精神からきているのでしょう。
まさに、単純な形態によって豊かな空間を創り出していると言えますね。

建築としての評価は?

建築家

今回の設計は、ミース・ファンデル・ローエです。彼については以下のサイトで紹介しています。また、彼の代表作についてもいくつか紹介しているので参考にしてください。

【ミース・ファンデル・ローエ】近代建築の三大巨匠の一人を追う。

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ここまでミースの建築を7つほど紹介してきましたが、こんなにも設計の思想をそのまま反映した作品ばかり作っているひとは珍しいと思いました。通常は敷地の制約や施主の希望によってどんどんと思想は形から離れていってしまいますが、彼はそれが全然なく、形態からストレートに思想が伝わっています。そういうところからもまさにモダニズム建築の巨匠だといえるでしょう。

コンセプト

彼が一貫しているのは、Less is moreという思考です。この建築は、この思想を最もよく示しているでしょう。

均一なグリッドのマリオンから延びる天井のフレームもすべて均等なグリッドにのっとっているのが分かります。
普通はヒエラルキーを付けて、大梁と小梁をつくるところですが、この思想よりこのように単調な印象にしているのでしょう。
それを表しているのが以下の写真です。

機能について

国立の美術館です。図面から見るに、地下にサンクンガーデンのような場所があります。

右が一階の図で、地下階の図面の左側、7番が下の断面図の一番右のスペースだと思われます。このサンクンガーデンは、地下の美術館で展示を見ていた人には外気に触れられてとてもリフレッシュできる空間となっていることでしょう。
図面の出典:ノイエ国立美術館 – スタジオ・エシナム (studioesinam.com)

ミースは、地上に見える外観はなるべくシンプルなものにし、地上階ではない階層に機能を埋めることが数多くあると感じました。

たとえば、現代のオフィス建築の外装の元にもなっているレイクショアドライブアパートメントでは、一階は通り抜けできるピロティや広いロビーに使われています。ほかにも、彼のもう一つの重要な思想、ユニバーサルスペースという概念を利用したクラウンホールでも、大空間でかつワンルームの空間を一階に設け、地下階に図書スペースや講義室を設けました。

【レイクショアドライブアパートメント】

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【クラウンホール】ミースのつくるユニバーサルスペースを使った学生用ホール

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外観

まさに、Less is moreですね。この地下にあんなに複雑な機能が収まっていることが見当もつきません。
また、構造は、ファンズワース邸のように十字柱を使い、かつ外に出していることが分かります。なんと、柱はわずか8本しかないということです!

内観

やはり内観もLess is moreでした。。

コンセプトを忠実に守り、それが明確、というところがまさに見習うべきだと感じました。

最後に

このブログでは、「一日一建築」と称し、毎日、主に隈研吾氏の建築を紹介していましたが、ほかの方の建築も紹介しています。よかったらご一読ください。↓
Pioneer Of Attractive Archi – より深く名建築について知ることができるサイト。 (attractive-archi.tech)

昨日紹介した建築はコチラ!

【シーグラム・ビル】

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参照サイト等

チッパーフィールドが修復を手掛けた、ドイツ・ベルリンの、ミース設計の「新ナショナルギャラリー」 | architecturephoto.net
ノイエ国立美術館 – スタジオ・エシナム (studioesinam.com)

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