【六甲枝垂れ(ろっこうしだれ)】三分一博志がつくる樹氷建築

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概要

こんばんは!「一日一建築」と称して毎日自分の好きな建築について発信しています著者のちぇりーです!
このサイトの特徴として、建築学生が建築計画という観点から評価するというところで、ボリュームは少し多めですが、その分、建築についてより深く学べると思うのでぜひ見てみて下さい!

さて、本日紹介する建築は六甲枝垂れです。2010年7月にオープンした「自然体感展望台」と名付けられた有料の展望所となっています。ここには毎年約10万人もの人が訪れているそうです。
これも三分一博志氏の設計によるものです。

【三分一博志】「動く素材」の建築家。

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早速見ていきましょう!

建築としての評価は?

建築家

今回の設計は、三分一博志氏です。

【三分一博志】「動く素材」の建築家。

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また、この複雑なスチールパイプは、なるべく理解しやすいものになるよう、かつ条件のなかで最適化できるよう構造設計はアラップに頼みました。
とても有名な構造家なので、建築学生は知っておきましょう!
以下のサイトで紹介されています。
自然体感展望台 六甲枝垂れ - - Arup アラップ

コンセプト

出典:自然体感展望台 六甲枝垂れ - - Arup アラップ

山の上に立つ一本の大きな樹だそうです。

機能について

展望台として使用されるもので、有料となっているそうです。

出典:自然体感展望台 六甲枝垂れ - - Arup アラップ

このように、自然の風の流れを促しながら、枝垂れがテーマになっているため意匠上の配慮もし、かつ構造的に成り立つものを作りました。
そのため、構造家に頼むことが必要となりました。

また、地下の水色の部分は、氷室といって、冬に氷を貯めておくことで、夏に冷房として機能するといいます。
このように空調まで自然の力に任せるところが徹底していますね。ただ形あそびをしただけで自然を利用しているのだ、という意匠設計者もいますが、それとは一線を画していることがよくわかります。

外観

出典:自然体感展望台 六甲枝垂れ - - Arup アラップ

冬にはこのように、樹氷をつけた姿をしています。これはさぞかし美しいことでしょう。

これからわかることは、確かに、動く素材を視覚化していること、それによってより自然と触れ合うことができる工夫をしているということです。

内観

あまり語られることはありませんが、ここでは紹介したいと思います。
ここでも彼は工夫を凝らします。ヒノキ材が間接照明によって柔らかく照らされます。
このアプローチ動線では、展示も行われることがあるそうです。

先に述べたようなアプローチ動線の先がこのように丸いベンチとなっています。

計画

ドームの直径は16mと、本当に大きな木の大きさを模倣しているようですね。

ディテール

ボロノイという幾何学を使って作られた「樹氷」の部分は太いものがスチール、細いものがヒノキの棒材を組み合わせてつくられています。

最後に

参考著書

三分一博志氏、待望の作品集です。
三分一さんは、多くの巨匠同様、自分の作品を振り返ることなく作り続けてきました。そのため作品集がなかったのですが、遂に発売されました!
彼の特徴であるリサーチから図面までしっかりと載っていて、おすすめです。一方で、彼の設計の過程などの文章量は少なめです…しかし三分一さんの本はこれの他にないため、私は即買ってしまいました。

JAという雑誌で三分一さんの作品の特集もありますが、英語版だしプレミアがついているのか高いです…泣
それでもよろしければ、ぜひお手に取ってみて下さい!

こちらも見てみて下さい!

このブログでは、「一日一建築」と称し、毎日、主に隈研吾氏の建築を紹介していましたが、ほかの方の建築も紹介しています。よかったらご一読ください。↓
Pioneer Of Attractive Archi – より深く名建築について知ることができるサイト。 (attractive-archi.tech)

昨日紹介した建築はコチラ!

【ミース・ファンデル・ローエ】近代建築の三大巨匠の一人を追う。

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参照サイト等

六甲枝垂れ | 神戸公式観光写真ライブラリー FeelPhoto(6634) (feel-photo.info)
建築家の三分一博志の建築作品6選。代表作の犬島精錬所美術館や直島ホールなど | デザインマガジン (webdesignmagazine.net)
自然体感展望台 六甲枝垂れ - - Arup アラップ
六甲枝垂れ - ARCHI'RECORDS(アーキレコーズ)- 建築紹介・建築探訪録 (archirecords.com)

【六甲枝垂れ(ろっこうしだれ)】三分一博志がつくる樹氷建築” に対して2件のコメントがあります。

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