梼原・木橋ミュージアム

出典:雲の上のギャラリー│梼原町×隈研吾建築物 (town.yusuhara.kochi.jp)


概要

山梨の「猿橋」を参考に刎橋という架構にこだわった木橋です。
珍しい屋根付きの橋となっており、中にはギャラリーやアトリエという機能が兼ね備えられる複合施設です。
雲の上のギャラリーというその名の通り、宙に浮いているようになっている。かつ、自然に溶け込んでいる建築となっています。

行ってみるには?

所在地

営業時間等

臨時休業しているそうです。。。

もっと詳しく(独自の観点からの評価 )

建築家

隈研吾氏です。
また、この高知県梼原町には、隈研吾氏にとって重要な転機となった建築がいくつもあります。

まさに、“隈研吾の木造建築のルーツは梼原町にあり”。隈氏自身も後に「梼原町との出会いが私の建築デザインを変えた」、「その土地の木材や、地域に受け継がれてきた建築技術に注目するきっかけもゆすはら座だった」と語っている。

引用:高知・梼原町「隈研吾の小さなミュージアム」隈研吾の木造建築は、小さな町から始まりました。前編 | Discover Japan | ディスカバー・ジャパン (discoverjapan-web.com)

構造設計は、中田捷夫氏。

コンセプト

地域文化を尊重し、活性化するため、木材を使った日本の伝統建築であることにひたすらこだわった。

機能的提案

出典:高知・梼原町「隈研吾の小さなミュージアム」隈研吾の木造建築は、小さな町から始まりました。前編 | Discover Japan | ディスカバー・ジャパン (discoverjapan-web.com)

これは、雲の上のホテルです。↓

高知県梼原町において、隈研吾さんが最初に設計した「雲の上のホテル」と「雲の上の温泉」とをつなぐ橋。
屋根付きの橋であるとともに、美術館であり、アトリエでもある。
屋根付きの橋、に違和感がある方もいらっしゃると思います。
しかし、木造の構造を雨風から守ることができたり、中に機能を持たせることができるといったメリットがあります。

ミュージアムには、この建築の建設プロセスが詳しく解説されています!

デザイン

コンセプトのとおり、どこを見ても木材を使い、開口部には自然を見渡すことのできるガラスを使う。このように自然に溶け込むデザインがなされている。

平面計画

図面を参照ください。
以下の隈研吾氏の建築事務所のサイトに載っています。

Yusuhara Wooden Bridge Museum – 梼原 木橋ミュージアム | Architecture | Kengo Kuma and Associates (kkaa.co.jp)

さらに多くの写真も載っています。ぜひ見てみてください。

断面計画

構造計画にあります。

動線計画 

出典:雲の上のギャラリー│梼原町×隈研吾建築物 (town.yusuhara.kochi.jp)

雲の上のホテルから、渡り廊下を渡っていくとギャラリーがあります。写真は、ホテルから渡り廊下を渡った先の、ギャラリーの入り口となっていて、右奥に、橋が続いています。
そこからさらに右に曲がるとこの木橋があります。
その先のエレベーターを降りることで雲の上の温泉へとたどり着くことができます。

構造計画

出典:高知・梼原町「隈研吾の小さなミュージアム」隈研吾の木造建築は、小さな町から始まりました。前編 | Discover Japan | ディスカバー・ジャパン (discoverjapan-web.com)

現代では集成材のおかげで大断面のフレームが作れるようになりました。
しかし、隈研吾氏は、小断面の木を使った伝統的な日本の橋を作ることにこだわりました。
小さく短い部材をどう組み合わせれば強い構造体ができるのかというスタディに進みました。

そこで伝統的な木橋を参考にしました。
それが、日本三大奇橋の、山口の「錦帯橋」、山梨の「猿橋」、徳島の「かずら橋」でした。

ここで参考にしたのが、猿橋に採用されている「刎橋」と呼ばれる構造システムです。
中国に起源をもつ、小断面の木材の組み合わせにより屋根の端部の荷重を柱に流していくというものです。

環境計画

出典:雲の上のギャラリー│梼原町×隈研吾建築物 (town.yusuhara.kochi.jp)

木橋は屋根はありますが、壁や床の仕上げ材はすべて温かみのある木材となっていたり、窓は全面ガラスとなっているため、緑に取り囲まれ、自然の中にいるということを実感できます。

参考書籍

隈研吾氏の建築を学ぶ上で、私が一番におすすめしている書籍です。
図解でわかりやすく、かつ明快な分類でまとまっていることがこの本の特徴です。初心者の私でも読むのが楽しく、かつ建築学生として有用な知識が詰まっていました。
隈研吾建築の変遷を全体的に捉えること、一つ一つの建築の特徴を理解すること、というどちらものアプローチで学ぶことができます。
ぜひ手に取ってみて下さい!

言わずと知れた名著です。建築に携わるものとして、読むことは必須だと思います!

参照サイト等

・ 『隈研吾建築図鑑』 画・文:宮沢洋
・『場所原論』 著:隈研吾
Yusuhara Wooden Bridge Museum – 梼原 木橋ミュージアム | Architecture | Kengo Kuma and Associates (kkaa.co.jp)
宙に浮く芸術!梼原木橋ミュージアムに使われた建築技術とは? | てつまぐ (tetsumag.com)
高知・梼原町「隈研吾の小さなミュージアム」隈研吾の木造建築は、小さな町から始まりました。前編 | Discover Japan | ディスカバー・ジャパン (discoverjapan-web.com)
雲の上のギャラリー│梼原町×隈研吾建築物 (town.yusuhara.kochi.jp)

今日思ったこと

この建築で、三階以上だと可燃材料は構造体に使えないということや、それを切り抜ける、可燃物は建具として開口部に使うというアイデアが隈研吾氏に浮かんだのも、法規を勉強していたおかげなんじゃないか、と思います。
このように法規という制約さえ、アイデアになったり、ほかの人が大変だからやらないといっているところを出し抜ける材料となるからこそ、法規の授業もつまらなそうだが、頑張ろう!と思えました。

皆さん、明日も頑張りましょう!

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