【サンチャゴ・カラトラヴァ】構造家が魅せる美しい建築。
概要
こんばんは!「一日一建築」と称して毎日自分の好きな建築家について発信しています著者のちぇりーです!
このサイトの特徴として、建築学生が建築計画という観点から評価するというところで、ボリュームは少し多いですが、その分、建築についてより深く学べると思うのでぜひ見てみて下さい!
さて、本日紹介する建築家は、サンチャゴ・カラトラヴァ氏です!私が海外の建築家の中で一番好きな建築家です。
彼は土木を勉強していて、構造の観点から建築を変えた人だと私は思っていて、建築学生必読の方です!ぜひご一読ください。
建築家
どんな人?
彼は、1951年生まれの現在71歳となっています。(2023年現在)
スペインのヴァレンシア生まれで、建築はフランスで、土木はETH(チューリッヒ=スイス)で勉強しました。
彼の人となりを三つのキーワードを使って表すと、絵画・建築、そして土木となります。
具体的な過程を含めて説明すると、彼は、小さいころデッサンや絵画を習っていました。その技術を習得し、多くの人体に関するスケッチを描き残しています。次に建築です。コルビュジェの本の影響でヴァレンシアの大学で建築を学び、修士号を獲得しました。土木に関しては、建築で修士号を取ったにも関わらず、チューリッヒ連邦工科大学で土木工学を勉強し、博士号を取得しました。
このようにして、彼は絵画から芸術、建築、そして土木という技術までをも身に着けたのです。
建築思想、研究内容
私は重力の概念にすっかり魅せられ、単純なフォルムを用いる必要があると感じていました。
書籍 サンティアゴ・カラトラヴァ
~中略~力と質量を適切に組み合わせれば、感情を作り出すことができるのです。
この言葉にある通り、彼の創る建築は、絵画にした人体を模した単純なフォルムを保ったまま重力などの制約をクリアしたものとなっています。上の写真が彼のスケッチです。
その明快な解き方にはいつも驚かされます。
彼は、構造設計家でいながら、技術的問題の解決するアプローチで満足することがなく、構造設計については「可能性のアート」と考え、むしろ新しい表現形式を追求するそう。そのくらい自由に構造が扱えるのは羨ましいと思い、そのくらい勉強しなければならないとますます思いました。。!
また、彼の設計には動きも使われることが非常に多いですね。例えば、彼の初期の建築・エルンスティング社倉庫の荷物を運び入れる用の大型扉や、今回紹介しているミルウォーキー美術館でのブリーズ・ソレーユなどは可動式でとりつけられています。
ブリーズ・ソレーユとは?
建築の構成要素の一つとして日射を和らげるという機能を持たせたもの。ルーバーなど。
上の写真のようなものがあります。
どう意匠設計に生かすか
重力、つまり構造についても同時に考えながら設計をするということです。
彼の設計を見ることは、多くの建築学生に必須だと思います。なぜなら、私が今後つくられる建築は彼の創る建築のように明快に条件をクリアしたもので、かつ美しい曲線を持つものであってほしいと考えているからです。
彼の建築をいくつか見ていくと、どれも標準的な解決法はとっていないということが分かります。そのように、前提とされるような条件を一度取り払ってそれ以前のところから考えていくことをやってみるべきなのではないでしょうか。そのような柔軟な発想を学生のうちにやっておくべきだと思わされました。
※これは個人なりの感想・見解です。
代表作
今後それぞれの作品について紹介し、更新していきますので少しお待ちください。
シュテーデルホーフェン駅

身体や動物を模したフォルムから作られた駅の再設計プロジェクトです。
彼が事務所を構えるようになったきっかけになっているため、要チェックです!
リヨン・サンテクジュペリ空港駅
飛翔する鳥のような形をしていながら、そのすべてに意味があると感じさせられる建築です。ぜひ見てください!!
テネリフェ・コンサートホール
打ち上げられる波のような、目のような、、さまざまな自然の形を彷彿とさせる形のホールです。ぜひ見てください!
芸術科学都市/オペラハウス
彼の故郷スペインに創った建築群で、一つの島の再開発計画の一部として建てられました。
いくつもの建築を設計すると、どれか手を抜いたな、というものがあるイメージがあったのですが、この「芸術科学都市」にある建築は、どれも魅力的で時間がかけられているので、10年もの月日を要しましたが、それほど良いものができているのでぜひ見てみて下さい!
ミルウォーキー美術館
これもカラトラバのもっとも有名な作品の一つです。既存の美術館の増築の計画ではありますが、ここでもカラトラバが全力を尽くした造形が見られます。なんと、飛び立つ鳥の羽のような部分は、開閉可能で、一日に三回ほどそれは起こり、見学することもできます。
こういった今までにない技術を見ることはとてもわくわくしますね!
どのような評価を得ているのか
彼は、土木を学んだ建築家として有名で、日本でもどんどん知られてきています。
特に彼の人体を模したフォルムが彼を特徴づけていて評価されています。
また、私は多くの著名な建築家は、有名な作品を一度作ると、その技術を使うことで安心してしまいがちですが、彼はどんどんと新しいものを作ることに年齢を重ねても貪欲であると感じ、そうなりたいと感じました!
しかし、建築、芸術、工学の三つの観点から建築を作り、そのすべてにおいて才能を示す彼のやり方は、到底真似できるものではなく、現代建築において新たな潮流を生み出す、との記述がある書籍も見受けられるが、最近の建築を見てもやはり、その影響は大きいとはいえないと思います。
もちろん私はとても好きな建築家なのでその思想や設計手法を模倣しさらによいものを作ってくれる建築家がいたら嬉しいのですが、、、
著書
彼の書いた本ではありませんが、数少ない彼について書かれた日本語の本を紹介します。
日本語以外の言語で書かれた本は多数出版されているため、今回私はほかの言語の本も参考にし、ブログを書きましたので参考にしていただければ幸いです!
カラトラヴァ
建築家の講義 サンチャゴ・カラトラバ [建築家の講義]
彼の事務所の公式サイトにも出版された書籍について載っています。
Publications - Santiago Calatrava – Architects & Engineers
最後に
このブログでは、「一日一建築」と称し、毎日様々な方の設計した建築を紹介しています。よかったらご一読ください。↓
Pioneer Of Attractive Archi – より深く名建築について知ることができるサイト。 (attractive-archi.tech)
昨日紹介した建築はコチラ!昨日まで三分一博志氏の建築を紹介していました!ぜひご一読ください。
参照サイト等
・書籍 サンティアゴ・カラトラヴァ 出版:TASCHEN
・建築家 サンティアゴ・カラトラバを知ろう!ワールドトレードセンター駅など - SUMUKOTO.COM
・Amazon.co.jp: カラトラヴァ : フィリップ・ジョディディオ: Japanese Books
・Publications - Santiago Calatrava – Architects & Engineers
・サンティアゴ・カラトラバ - Wikipedia
・サンティアゴ・カラトラバ / Archstructure.net
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